出版社内容情報
初香は契約すれば3つの願いをかなえてくれるというランプの魔人”ジン”と出会い、高校一の美少女・マリカと入れ替わりたいと願うが・・・・・・「ジンが願いをかなえてくれない」
四十三歳の誕生日を実家の部屋で中学からの仲間と過ごしたケンゾー。罰ゲームで「渋谷駅前で目隠しフリーハグ」をすることになったケンゾーは・・・・・・「子供部屋おじさんはハグがしたい」
スポットライトが当たらなくても、私たちの人生だって唯一無二!
内容説明
初香は契約すれば3つの願いをかなえてくれるというランプの魔人“ジン”と出会い、高校一の美少女・マリカと入れ替わりたいと願うが…「ジンが願いをかなえてくれない」。43歳の誕生日を実家の部屋で中学からの仲間と過ごしたケンゾー。罰ゲームで「渋谷駅前で目隠しフリーハグ」をすることになったケンゾーは…「子供部屋おじさんはハグがしたい」。神様がスポットライトを当ててくれない私たちの、かけがえのない6つの物語。
著者等紹介
行成薫[ユキナリカオル]
1979年生まれ、宮城県仙台市出身。東北学院大学教養学部卒。2011年『名も無き世界のエンドロール』で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同年『本日のメニューは。』で第2回宮崎本大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よつば🍀
31
「ジンが願いをかなえてくれない」「子供部屋おじさんはハグがしたい」「屋上からは跳ぶしかない」「ユキはひそかにときめきたい」「妻への言葉が見つからない」「パパは野球が下手すぎる」独立した6話収録の短編集。全話面白かった。自分に自信を持てない女子高生、43歳・独身で実家住まいの中年男、通称『子供部屋おじさん』、ブラック企業で苦しむ男性社員、ときめきを求める主婦、想いを言葉にして伝えたい二人の男性、過去の後悔を引きずる夫。どの物語の主人公も身近に感じられ、脳内でクリアに映像化された。読後感の良い粒揃いの短編集。2024/06/08
koo
9
行成薫の新作は特別じゃない普通の主人公にスポットライトを当てた短編集。ファンタジー2作を含めどれも明るく楽しいですが反面ミステリは薄味であまり意外性のない作品が続きます。唯一手紙の通信添削を仕事とする主人公和人が80歳の老人が初めて妻へのラブレターを書くことを手伝う事から描かれる「妻への言葉が見つからない」だけは別格に完成度が高い感動作でした。全体としてはかなり低年齢層をターゲットとした印象ですがこの作品だけでも読んだ甲斐がありました。2024/06/06
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2024年5月初版。初出「小説すばる」2014年12月号、「小説宝石」22年3月号、11月号、23年11・12月合併号、24年1月号。書き下ろし1編を加えた六編の短編集。何れも捻りが効いていて面白かった。因みにタイトルにある「ジン」はアラジンでした。2024/06/08
century-century
0
自分のコンプレックスを認め、乗り越えていく人たちの物語。性別も年齢もバラバラなのに、どの主人公達の悩みもリアルに描ける行成薫さんはすごいなあ。2024/06/11