出版社内容情報
初香は契約すれば3つの願いをかなえてくれるというランプの魔人”ジン”と出会い、高校一の美少女・マリカと入れ替わりたいと願うが・・・・・・「ジンが願いをかなえてくれない」
四十三歳の誕生日を実家の部屋で中学からの仲間と過ごしたケンゾー。罰ゲームで「渋谷駅前で目隠しフリーハグ」をすることになったケンゾーは・・・・・・「子供部屋おじさんはハグがしたい」
スポットライトが当たらなくても、私たちの人生だって唯一無二!
内容説明
初香は契約すれば3つの願いをかなえてくれるというランプの魔人“ジン”と出会い、高校一の美少女・マリカと入れ替わりたいと願うが…「ジンが願いをかなえてくれない」。43歳の誕生日を実家の部屋で中学からの仲間と過ごしたケンゾー。罰ゲームで「渋谷駅前で目隠しフリーハグ」をすることになったケンゾーは…「子供部屋おじさんはハグがしたい」。神様がスポットライトを当ててくれない私たちの、かけがえのない6つの物語。
著者等紹介
行成薫[ユキナリカオル]
1979年生まれ、宮城県仙台市出身。東北学院大学教養学部卒。2011年『名も無き世界のエンドロール』で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同年『本日のメニューは。』で第2回宮崎本大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
139
行成さんの新作は6つの短編集…ファンタジー2作を含んだ全ての物語を「うんうん」と頷きながら読めた。それは各話の主人公が共感できる性格なのと、著者らしいユーモアを交えた読み易い文章の成せる技だと思う。更に、親子や夫婦など親近感ある「情」を巧く織り交ぜているからだろう。各話のタイトルも読む前は「ストレート過ぎない?」と思ったが、読み終わると「なかなか洒落てるなぁ」と思わせるのが憎い!どの話も好みだったが『ユキはひそかにときめきたい』では胸がキュンとさせられたし「妻への言葉が見つからない』には大いに泣かされた。2024/08/19
モルク
128
表題作他5編のまさかの短編集だった。願いを叶えてくれるランプの魔人「ジン」に女子高生初香がした願いとは…高校一の美少女、すべてに秀でた彼女と入れ替わることだった。果たしてその願いは叶えられるのかという「ジンが願いをかなえてくれない」さえないおじさんがダンスに目覚める「子供部屋おじさんはハグしたい」がよかったけど、一番好きなのはスピーチライターに来た老人が妻への手紙を書く依頼。それをきっかけに彼も…の「妻への言葉がみつからない」かな。どの話も日の当たらない場所にいると思い込んでいる人に希望を与えてくれる。2025/02/25
Ikutan
78
『ジンが願いをかなえてくれない』『子供部屋おじさんはハグがしたい』『屋上からは跳ぶしかない』『ユキはひそかにときめきたい』『妻への言葉が見つからない』『パパは野球が下手すぎる』タイトルだけでもワクワクしちゃう短編が六つ。共感できるちょっとした悩みを抱えた主人公たち。読めない展開とキレのいい結末。どのお話も楽しめた。タイトルのジンって気になっていたけれど、そういうことね。その『ジンが願いをかなえてくれない』と『ユキはひそかにときめきたい』はちょっと不思議な設定で面白かった。おすすめ。2024/08/30
aki☆
77
久しぶりの行成さん。めちゃ良かった!表題作を含む6編の短編集はファンタジーもそうでないストーリーも爽快で感動。些細な出来事がその人にとって大切な何かを気付かせてくれる。一歩前へ踏み出すきっかけをくれるストーリー。「ランプの魔人」が登場したり、家にイケメンの「推し」が⁈ などという羨ましくも笑える話や、涙溢れる話もあってとても楽しめた。2024/09/28
ベイマックス
75
表題を含めた6つの短編。面白く奇想天外な設定でも楽しさあり、涙ありでした。女子高生のスクールカースト、引きこもり、推し活、オタク、ブラック企業、ラブレター、などなど。2024/11/02