出版社内容情報
蜂矢徹郎、大学3年生。行動原理は超一流商社の内定獲得一択。いつもスーツ姿で誰に対しても敬語、友人の取捨選択は就活に有益か否か。周囲からは「就活ザムライ」とイジられているが、そんなのおかまいなしに、ひたすら就活一直線。ところが、ひそかに心を寄せる夏海の存在や謎のおじさんの登場で次第にペースが乱されていき……。自分が信じた道を突き進みながらも、どんどん空回りしていく徹郎の就活と恋の結末は!?
内容説明
蜂矢徹郎、大学三年生。行動原理は超一流商社の内定一択。いつもスーツ姿で誰に対しても敬語、友人の取捨選択は就活に有益か否か。周囲から「就活侍」とイジられている徹郎だが、ひそかに思いを寄せる夏海の存在や謎のおじさんの登場で次第にペースが乱されていく…。信じた道を突き進みながらも、どんどん空回りしていく徹郎の、就活と恋の結末はいかに!?
著者等紹介
安藤祐介[アンドウユウスケ]
1977年福岡県生まれ。2007年『被取締役新入社員』(講談社文庫)でTBS・講談社第1回ドラマ原作大賞を受賞。’19年『本のエンドロール』(講談社文庫)が本屋大賞で11位に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タルシル📖ヨムノスキー
26
中学3年の夏からひたすら一流企業に就職することを目指して努力してきた大学3年生の蜂矢徹郎は、普段からスーツを着て、誰と話す時も敬語。いや敬語というよりは面接の受け答えのような話し方という強烈キャラ。とにかくこのキャラが濃過ぎて読み始めはだいぶ苦戦。就活の大変さや理不尽さをテーマにした物語かと思いきや、もう少し明るい感じの話で肩の力が抜けました。やっぱり同じ釜のメシを食った仲間、ゼミの指導教官や同じゼミ生、そして謎の聴講生であるおじさんの存在がとても大きい。ところでおじさんはあの後いったいどうなったのか…。2024/04/24
KG
4
序盤では徹郎のことをイタいやつだと思っていた。勉強はできるようだけど、周りの人を見下していて言葉遣いも慇懃無礼。同級生のエントリーシートの添削を始めたあたりでは、その先の就活の結果が見えたような気がした。のだが、話が進むにつれ、グループ討議では情報を整理し、課題をピックアップして、メンバから解決策を引き出していていったり、インターンでの働きぶりなど、実は仕事ができるタイプなのではと思えてきて、気がついたら応援していた。弱点を克服した後の彼には幸せになって欲しいと思った。最初は不気味な存在だった寿々歌とも。2024/10/22
ポケット
3
超一流商社に内定することだけを目的に行動する主人公蜂矢徹郎。徹郎は寝ても覚めてもスーツで過ごし、敬語で話、就活に有益か否かで判断する。はじめは完璧な人のように思えたがだんだんどうなのこの人?と思うようになった。周りの人は徹郎を友達、仲間だと思っているのに徹郎という人は腹黒いな。完璧な人間なんていないから、徹郎は自分が思っているほど悪い奴ではないのかも。自分をわかってないから選ばれないんだね徹郎は。謎のおじさんの存在が学生たちに悪影響なんじゃないかと思っていたのだが、不思議だ。2024/07/07
gun56
3
ある事がきっかけで中学から思った会社に就職することだけを目標に、普段だけでなく寝る時もスーツというかなり偏った考えの大学生が主人公。周りの学生は全て敵と思っており、就活でも人を貶め自分をよく見せるが、担当者には見抜かれ全敗。この辺りの描写は読んでてキツいところもあるが、周りの友人に知らず知らずのうちに役立っており全体的にはハートフル。ラストではユーモアも持ち合わせていていい終わり方だった。2024/05/18