光文社新書<br> 大江健三郎論―怪物作家の「本当ノ事」

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大江健三郎論―怪物作家の「本当ノ事」

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  • サイズ 新書判/ページ数 328p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334102234
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

「奇妙な仕事」以降、常に文学界の先頭を走り続けてきた大江健三郎。「飼育」で芥川賞、『万延元年のフットボール』で谷崎潤一郎賞、『「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち』で読売文学賞、そして九四年には、川端康成についで日本で二人目のノーベル文学賞受賞者となった。「民主主義者」「平和主義者」と捉えられている大江。だが、大江をそうした物差しだけで測ってよいのだろうか。従来の大江像に再考を迫る。

内容説明

東京大学でフランス文学を学んでいた学生時代の作品「奇妙な仕事」以降、常に文学界の先頭を走り続けてきた大江健三郎。1958年に「飼育」で芥川賞、六七年に『万延元年のフットボール』で谷崎潤一郎賞、七三年に『洪水はわが魂に及び』で野間文芸賞、八三年に『「雨の木」を聴く女たち』で読売文学賞、同年、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛次郎賞、そして九四年には川端康成についで日本で二人目のノーベル文学賞受賞者となった。新しい戦前と言われる今日、代表作を初期から順に読み進めることで、「民主主義者」「平和主義者」としての大江像に再考を迫る。

目次

第1章 三つの処女作―「奇妙な仕事」「死者の奢り」「飼育」
第2章 純粋天皇の胎水しぶく―『芽むしり仔撃ち』「セヴンティーン」「性的人間」
第3章 アナルセックスと赤ん坊殺し―『個人的な体験』『ヒロシマ・ノート』
第4章 オレハ本当ノ事ヲイッタ―『万延元年のフットボール』
第5章 三島由紀夫の死―『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』『沖縄ノート』『みずから我が涙をぬぐいたまう日』
第6章 レイン・ツリーとイーヨー―『同時代ゲーム』『「雨の木」を聴く女たち』『新しい人よ眼ざめよ』『M/Tと森のフシギの物語』
第7章 ピンチランナーは生還するか―『懐かしい年への手紙』『燃えあがる緑の木』
第8章 あいまいな日本の私―ノーベル賞受賞講演、沖縄戦「集団自決」裁判
第9章 おかしな二人組―『宙返り』『取り替え子』『憂い顔の童子』『さようなら、私の本よ!』
第10章 大江健三郎の「本当ノ事」―『〓たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』『水死』『晩年様式集』

著者等紹介

井上隆史[イノウエタカシ]
1963年生まれ。東京大学文学部卒業。白百合女子大学文学部教授。専門は日本近代文学。著書に『暴流の人 三島由紀夫』(平凡社、読売文学賞・やまなし文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

109
ノーベル賞講演で日本を「あいまいな国」と定義した大江健三郎は、『沖縄ノート』での沖縄戦集団自決を巡る訴訟に引き出された。黒白を明確にする裁判から影響を受けて、大江は晩年の長編『水死』を書くに至ったと見る。そこで大江に相当する人物は自決を強要した軍人側に同一化しており、戦後民主主義者たる大江を否定する自己批判だと分析する。こうした著者の分析は、あいまいさを許さない強固な文学思想の持ち主と大江を見ているからではないか。少なくとも私は人間らしい弱さのない偶像など、作家としての能力が高くとも読みたくはないのだが。2024/03/26

hasegawa noboru

27
大江作品を順次網羅的に取り上げ、その評価基軸を明確にしつつ、大江にとっての「本当ノ事」はどの作品のどこでどう顕現しているかを追求していく作品分析過程はスリリングで圧倒的。新書本というスペースであるにもかかわらず。<大江はついに、その怪物的な本性を現わし>たという『万延元年のフットボール』と最晩年の『水死』。この二作品を世界文学レベルの最高傑作であると著者は言う。やや抽象的言い方のまとめだが、『水死』が<世界文学として、もっとも価値ある一冊>である所以について述べている箇所をそのまま引用してみる。<決して2024/04/17

山田太郎

24
よく考えると1冊も読んだことないような気がするが、東大卒でノーベル賞作家となるとなんだかケチつけるとお前の頭が悪いだけだと怒られそうだし。三大大江は、あと慎也と千里かなとかつまんないこと書いてごまかす。なんだか、好きなんだかそうでもないんだかよくわかんないというか初めよくわかんなかったみたいなよくわかんないというか。結局よくわかんなかった。2024/04/30

シッダ@涅槃

20
読了。胸いっぱいだ…… ◆『あいまいな日本の私』に関わるところで、あいまいさ(ヴェイグネス、ごまかし)に陥らす、あいまいさ(アムビギュアス、矛盾を矛盾のまま受け入れる態度)を保持しつつ思考を進める態度は受け取ったと思う。前者のあいまいさをなぜか美徳してしまう態度は自分にも多分にあるから。なお本書では『あいまいな日本の私』は結局前者に絡め取られている(後者を提起しながら)と批判されている。◆こんだけ「肉」を持った批評というものに触れてこなかったので新鮮だった。2024/09/29

ザビ

17
昨年逝去されたとはいえ、なぜ今大江健三郎!?昭和の文芸評論臭ただようこの本が、書店でchatGPTと並んでいることにビックリ。大江さんはまさに"天才すぎて変な人"。この本でも大江さんの政治主張とぶっ飛んだ性的嗜好(小説での)との矛盾や偽善性などが考察されてるけど、そんなややこしい話は抜きにノーベル賞受賞理由が簡潔明瞭でとてもいい。「詩的な力を駆使して想像の世界を生み出し、生と神話を凝縮して、ギョッとさせるようなやり方で現代人の苦境を描き出した」戦争が二つも同時進行している今ゆえの大江健三郎…なんだろうか。2024/03/06

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