出版社内容情報
東日本大震災で被災した三陸沖の島に現れた復興支援のプロ・遠田政吉。行政の支援も届かない地獄で救助、遺体捜索などに奔走し、救世主として信望を得るが、のちに復興支援金の横領疑惑が発覚する。島出身の新聞記者、菊地一朗が疑惑の解明のため遠田の過去を探り始めると、そこにはおぞましい闇が――。けんご氏の激推しと映画化決定で再注目の『正体』、『悪い夏』で大ブレイク中の著者が放つ骨太の社会派ミステリー!
内容説明
東日本大震災で被災した三陸沖の天ノ島に現れた復興支援のプロ・遠田政吉。行政の支援も届かない地獄で救助、遺体捜索などに奔走し、救世主として信望を得るが、のちに復興支援金の横領疑惑が発覚する。島出身の新聞記者・菊池一朗が疑惑の解明のため遠田の過去を探り始めると、そこにはおぞましい闇が―。エンタメ界最注目の著者が放つ骨太の社会派ミステリー!
著者等紹介
染井為人[ソメイタメヒト]
1983年千葉県生まれ。芸能プロダクションにて、マネージャーや舞台などのプロデューサーを務める。2017年『悪い夏』で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
365
デビューしたての頃よりも、だいぶ骨太な書き手になっている印象。もともと、少し意志薄弱な線の細い若者の描写が上手で、今作でもそれは活かされている。ちょっと変わった気がしたのは、三十代後半より上の年代の人物たちが、ぐっと地に足がついてきたこと。今思えば、『悪い夏』や『正義の申し子』あたりは、大人が若干浮わついてしまっていたかも。社会派な作風にキャラクターも伴ってきて、よい味わいを出してきている。カットバックが多い構成のため、遠田の悪事を徐々につまびらかにするドキドキ感を殺さざるを得なかった点は残念。2024/05/08
イアン
144
★★★★★★★☆☆☆実在の復興支援金詐欺を題材とした染井為人の長編。東日本大震災から10年目の被災地・天ノ島で、震災当日に生まれた少女が金塊を発見する。その地はかつて巨額支援金詐欺で日本中に汚名を晒した過去があった…。震災直後、横領発覚後(2年後)、現在(10年後)と時系列を交錯させながら、徐々に悪辣なNPOの手口と隠された真実を明らかにさせていく。10年後に姫乃を登場させたことで終盤の緊迫感を削いだ感は否めないが、その構成力は見事だ。3.11を風化させてはならない。その想いを新たにした3.11となった。2024/03/11
mike
93
未曽有の災害によって家族や友人そして自身の心を失った者、そんな彼らの力になろうとする者がいる。しかし、その弱みにつけ込んで追い打ちをかける輩もいる。そんな被災地の実態と問題を描いた骨太なミステリーだ。スピリチュアルな部分もあるが、数多の魂と人々の念の様なものが存在する場では、あながち無いとは言えないと私は思う。「正体」もそうだったが、染井さんによるあとがきには作品への深い思いがストレートに伝わり胸を打たれた。2026/04/05
rico
86
まとまった金が動くとき、それにたかり甘い汁を吸おうとする輩が涌いてくる。震災後復興のプロとして被災地に入り込み、被災者の支援と地域の再生に使うべき金を騙し取った事件がモデル。震災直後から事件が発覚する数年後、そしてそのさらに10年後という時間軸を行き来しつつ、新聞記者、ボランティアの女性、孤児達を養育する女性などを軸に物語は進み、事件の全貌が徐々に明らかに。描かれる被災地のくらしや人々の想いはとてもリアル。詰め込みすぎの感もあるが、読み応えあり。主犯の遠田のハリボテのカリスマ感、某宗教の教祖を思い出した。2025/03/14
machi☺︎︎゛
74
東日本大震災で被災した天ノ島。離島のためなかなか支援が受けられない中、突如現れた復興支援のプロの名乗る遠田。地獄のような中での遠田の存在は神のようであり、島民は遠田に騙されていく。島にボランティアできていた姫乃まで取り込み、遠田は裏で復興支援金詐欺を行っていた。弱っている人たちにつけ込む遠田はもちろん最低だけど、その遠田を信じて詐欺に加担してしまう姫乃に対してもちょっとモヤモヤが残った。そしてこういった悪事は完全なフィクションでなく、実際にもあるという事に悲しい気持ちになった。2026/06/24




