出版社内容情報
北海道トムラウシの山村留学から福井に帰ってきた宮下家。子供たちの妄想犬だった白い柴犬ワンさぶ子が実際に家族の一員となった。三人の子供たちは大学生、高校生、中学生となり、それぞれ自分の道を歩き始めていく。広がる世界、音楽とともに自由を楽しむ宮下家五人と一匹の、笑いと涙溢れる感動の三年間の記録を描いた作品が待望の文庫化。「一年後」を描いた小説宝石掲載エッセイ、「その後」を描いた宮下奈都氏のあとがきも!
内容説明
北海道トムラウシの山村留学から福井に帰ってきた宮下家。子供たちの妄想(脳内)犬だったはずの白い柴犬ワンさぶ子が実際に家族の一員となった。三人の子供たちは、大学生、高校生、中学生となり、それぞれ自分の道を歩き始めていく。広がる世界、かけがえのない音楽とともに自由を楽しむ宮下家五人と一匹の三年間の記録。文庫オリジナル作品を収録し、待望の文庫化!
著者等紹介
宮下奈都[ミヤシタナツ]
1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年「静かな雨」が「文學界」新人賞佳作となり、デビュー。『スコーレNo.4』は書店員ほかさまざまな読者の支持を得て、ベストセラーとなる。「2016年本屋大賞」を『羊と鋼の森』で受賞。『ワンさぶ子の怠惰な冒険』は、読書メーターOF THE YEAR 2021(エッセイ・ノンフィクションランキング)で1位に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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piro
45
『神さまたちの遊ぶ庭』以来、宮下さんのご家族の様子を綴ったエッセイが大好きで、文庫化を待ち望んでいた本作。とにかく読んでいて幸せな気持ちになれる一冊でした。ワンさぶ子(白柴)目線で語られる一節も楽しい。そして時々ハッとしたりウルッとしたり、仲の良いご家族の様子に、幸せをお裾分けしてもらった様な感覚です。エッセイで綴られた2017年からの3年間は宮下さん曰く「わが家の黄金期」。お子さん達が成長し進学の為に家を離れた今、また新たな生活を楽しまれているのでしょうね。雪国の柴犬は幸せそうだなぁ。2023/12/16
しゃお
24
単行本を持っていますが、新たに、宮下家の世界で一番かわいくて賢い四人目が語る「一年後」のお話とあとがきがついてくるという事で、あらためて楽しませてもらいました。こういうエッセイって、ひとはやはり自分とは違った視点をもっているんだなと気づかされたりするところも面白いんですよね。それにしても文庫版の表紙イラスト、可愛いなぁ(笑)。2023/12/17
あや
16
「神さまたちの遊ぶ庭」以来の宮下家。相変わらず個性豊かな子供たちに、新たに加わった柴犬、ワンさぶ子とのやりとりはクスッと笑ってしまうものもあり、思わず涙してしまうものありでした。お子さんのことを心配しながらも、成長を感じ、子どもたちを送り出す宮下さんと、独特にマイペースに生きていながらも、誕生日にカードをくれたり、何気ないLINEのやり取りに家族を心配する優しさが見えるお子さんたちとの程良い距離感を見つめているワンさぶ子。家族の緩やかで確かなつながりを感じる温かいエッセイでした。2024/03/03
みにみに
15
ワンさぶ子を加えた面白家族の徒然日記のようなエッセイ。くすっと笑える日々の小さな出来事や時々ハッとさせられる子どもたちの発言。どうしたらこんなふうに育っていくんだろう。子育ての難しさをサクッと飛び越えてそれぞれの個性を楽しんで見守ってきたという感じ。今作中にもしばしば出てきた「神さまたちの遊ぶ庭」がベストではあるけれど、成長した子どもたちの相変わらずの面白さも健在。本当にいい家族だしどんな大人になるのか気になりすぎるお子サマたち。今回も楽しく読ませてもらいました。2024/01/10
きょ
12
楽しい、とても楽しい。元気が出た。この方のエッセイは大好き。家にある宮下さんの本を順番に読み返している。買って読んだはずなのに、見つけられなくて、買っていないと思い込み、もう1冊買うところだった本もある。還暦ということで、それなりに忘れっぽくなっていると痛感。憧れの宮下家の皆さまがお元気で、お幸せでありますように。そして文庫の(収納上の理由により…)新刊は、間を置かずに手に入れようと思います。待っています。2024/01/21