出版社内容情報
実力派の女性作家集団「アミの会」による書き下ろしアンソロジー。今作のテーマは「?と約束」。テーマは統一でも、アレンジは多様多彩。人の世の温かさ、不思議さからほろ苦さまで、それぞれの作家の個性がにじみ出た「?」と「約束」が味わえる上に、ミステリーには欠かせない〝どんでん返し〟まで盛り込んだ贅沢な1冊となっている。所収作家:大崎梢、近藤史恵、福田和代、松尾由美、松村比呂美、矢崎存美
内容説明
人の縁の不思議さと温かさが光る「自転車坂」(松村比呂美)、少年同士のさりげない友情を描く「パスタ君」(松尾由美)、本格サスペンスの「ホテル・カイザリン」(近藤史恵)、なぞなぞの答え探しをめぐる人間模様「青は赤、金は緑」(矢崎存美)、恋心のほろ苦さが切ない「効き目の遅い薬」(福田和代)、失踪した美老女の謎を追う「いつかのみらい」(大崎梢)所収。
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayu
29
アミの会アンソロジー。あとがきを読んで知ったのですが(仮)が取れたのですね!!今回もどの作品も面白く、それぞれの作家さんの持ち味を全開に発揮している感じ。嘘×約束という2つのテーマが入っているので、どこで嘘がきて、どう約束に繋がるのか展開が面白い。松尾さんの転校生の蓮田君とぼくの小学生の話「パスタ君」が1番好きだった。突然の自動車事故から始まる松村さんの「自転車坂」も好きな展開。ミステリー全開の嘘と約束、友人同士の嘘と約束、恋愛の嘘と約束と存分に楽しませていただきました。2023/10/21
rosetta
28
女性作家の集まりから企画されたアンソロジー。文庫オリジナルの新刊かと思ったら2019年の本だった。この間にはコロナという余計な物か挟まったお陰でいろいろありましたなぁ。近藤史恵「ホテルカイザリン」だけ既読。福田和代の「効き目の遅い毒」が一番好みだったけどその真相はアガクリ賞の「致死量未満の殺人」(大嫌いな本!)でも使われた手だったのが残念。2024/01/26
ぶんぶん
26
【図書館】アミの会のアンソロジー、今回は嘘と約束を絡めた作品を集める。 ほんの小さな嘘とそれを叶えようとする約束、各人がそれぞれの個性を発揮している。 面白い、とくに「自転車坂」と「いつかのみらい」が面白かった。 作品としてちょっと物足りないくらいがちょうど良い感じです。 しかし、こういう手練れを何人も集める幹事役の作家さんは大変だなあと思う。 持ち回りと聞くが心中思いやられます。 松尾由美も良かった、近藤史恵も、これからも活躍して欲しい作家さんです。2023/12/15
しばこ
15
ミステリーのような作風のそれぞれの作品は、程よい長さの中に読み応えのある作品が多かった。最後のは、その後のストーリーを読んでみたい。2024/01/22
だるま
15
「アミの会」のアンソロジーで、これだけ読んでいなかった。文庫化されたので初読み。テーマに合わせて会のメンバー数人が書き下ろす短編集だが、今回のテーマ「嘘と約束」は嘘も約束も入れる話になるので、今まででも難しい方だと思うが、まあ皆さん巧く組み込んでいるので感心した。最もミステリっぽい大崎作品と、テーマに大変忠実であり感動作にもなっていた矢崎作品と、殺人犯と放火犯が主役なのにラストが清々しい近藤作品が特に良かった。文庫版あとがきに、アミの会メンバーで昨年亡くなられた光原百合さんへの追悼文があった。改めて合掌。2023/11/23
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