出版社内容情報
実力派の女性作家集団「アミの会」による書き下ろしアンソロジー。今作のテーマは「?と約束」。テーマは統一でも、アレンジは多様多彩。人の世の温かさ、不思議さからほろ苦さまで、それぞれの作家の個性がにじみ出た「?」と「約束」が味わえる上に、ミステリーには欠かせない〝どんでん返し〟まで盛り込んだ贅沢な1冊となっている。所収作家:大崎梢、近藤史恵、福田和代、松尾由美、松村比呂美、矢崎存美
内容説明
人の縁の不思議さと温かさが光る「自転車坂」(松村比呂美)、少年同士のさりげない友情を描く「パスタ君」(松尾由美)、本格サスペンスの「ホテル・カイザリン」(近藤史恵)、なぞなぞの答え探しをめぐる人間模様「青は赤、金は緑」(矢崎存美)、恋心のほろ苦さが切ない「効き目の遅い薬」(福田和代)、失踪した美老女の謎を追う「いつかのみらい」(大崎梢)所収。
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
34
どの作品も素敵な嘘と約束の物語でした。2025/06/06
mayu
30
アミの会アンソロジー。あとがきを読んで知ったのですが(仮)が取れたのですね!!今回もどの作品も面白く、それぞれの作家さんの持ち味を全開に発揮している感じ。嘘×約束という2つのテーマが入っているので、どこで嘘がきて、どう約束に繋がるのか展開が面白い。松尾さんの転校生の蓮田君とぼくの小学生の話「パスタ君」が1番好きだった。突然の自動車事故から始まる松村さんの「自転車坂」も好きな展開。ミステリー全開の嘘と約束、友人同士の嘘と約束、恋愛の嘘と約束と存分に楽しませていただきました。2023/10/21
ベローチェのひととき
29
妻から廻ってきた本。女流作家6人による6編のアンソロジー。安定のアミの会。(仮)が取れたんですね、今回のあとがきで知りました。表題に関してですが、「嘘」の反対は「真実」、「約束」の反対は「解約」だけど、「嘘」と「真実」や「約束」と「解約」では平凡、「真実」と「解約」ではちょっと違うということで「嘘」と「約束」になったそうです。良いネーミングだと思いました。2025/08/12
rosetta
29
女性作家の集まりから企画されたアンソロジー。文庫オリジナルの新刊かと思ったら2019年の本だった。この間にはコロナという余計な物か挟まったお陰でいろいろありましたなぁ。近藤史恵「ホテルカイザリン」だけ既読。福田和代の「効き目の遅い毒」が一番好みだったけどその真相はアガクリ賞の「致死量未満の殺人」(大嫌いな本!)でも使われた手だったのが残念。2024/01/26
のんちゃん
28
実力派女性作家集団アミの会による短編集。今回のお題は『嘘と約束』あとがきの矢崎存美さんの解説にもある様に嘘と約束は、反対語ではないにしろ、ある意味近い単語だと思う。そんなモチーフを今回も女性作家陣は各々が全く違うアプローチでとても素敵に仕上げてある。どの話もミステリ調なのだが、福田和代さんと大崎梢さんの作品が謎追いも興味深く、結末も切なく、印象に残った。何冊か既読のアミの会作品だが、最初の刊行作品から、順に読んで行きたい思いになる。また、イベントも開催されているらしく、機会があれば参加してみたい。2025/07/21