出版社内容情報
会社をリストラされたアラサー独身女子、まひろ。ふと見た映像に心を動かされ、「何もかもデトックスしたい」と旅に出た。向かったのは、子どもの頃一度訪れたことのある地、只見。宿の料理人が出す食事はどれも美味しくて、家に引きこもって以来まともなものを食べてこなかったまひろを、生き返らせてくれるようだった。拡がる自然と心づくしの料理で次第に落ち着きを取り戻していくが、以前訪れたときの記憶が頭をもたげてくる。
内容説明
必死に働いてきた会社をリストラされ、立ち直れないでいるまひろは、たまたま見た動画に誘われ、突発的に只見への旅にでた。宿の山菜料理は、優しく、温かく、落ち込むまひろの心にまでしみこんで来る。この地は子どものころに訪れ、ちょっとした思い出があった―。豊かな自然と美味しい料理が心を癒やし、小さな謎やわだかまりを解きほぐす再生の物語!
著者等紹介
小野はるか[オノハルカ]
「ようこそ仙界!鳥界山白絵巻」(刊行時『ようこそ仙界!なりたて舞姫と恋神楽』に改題)で第13回角川ビーンズ小説大賞“読者賞”を受賞してデビュー。「後宮の検屍妃」(刊行時『後宮の検屍女官』に改題)で第6回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”“読者賞”を同時受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タカギ
28
著者が福島県在住で、舞台が会津只見ということで購入。リストラされた主人公が美味しい山菜料理を食べて立ち直る話。私もコシアブラ、フキノトウ、コゴミ、タラの芽、山ウドなどは春になると普通に食べるので、楽しく読んだ。主人公は自分は仕事ができると自負しているのだが、人の顔を覚えることが苦手で7歳の記憶が曖昧なことから、実はそれほどではない可能性がある。それでも彼女の元上司には呆れる。解雇した部下に対して、会社に残った社員のフォローをしてくれって、どんな神経? コンプライアンス的にもどうなの? けっこう面白かった2023/10/07
よっち
28
必死で働いてきた会社を突然リストラされ、立ち直れないでいた槍沢まひろ。たまたま見た動画に誘われ、突発的に只見への旅に出る再生の物語。何もする気がなく引きこもっていたまひろが、東京から福島まで車での旅。優しく暖かく落ち込むまひろの心に染み込んでゆく読んでつい食べたくなる宿の山菜料理。そして悔いが残っていた子どもの頃に訪れた時の思い出。リストラの背景は何ともあれで報われないな…と思いましたけど、逗留先でのもてなしで癒やされてゆくまひろが、小さな謎やわだかまりを解きほぐして向き合ってゆくとても優しい物語でした。2023/10/05
manamuse
19
ん〜?なんかこれ知ってるなぁ…なんでだろう。既読かな?福島の只見は旦那さんの大好きな場所で、私も好きだし一時移住の候補になったこともあります。せめてワンニャンsを連れて旅行ででも行ければいいんだけどね〜。キャンピングカーかそれに準ずるものが必要よねぇ…。とにかく山菜採れまくり、食べまくりが最高です!2024/06/08
Eddie
10
先が完全に読み切れるストーリーでしたが、ほのぼの感があって良かったです。 ただ個人的には山菜だとごちそうさま感は薄かったですねぇ....。2024/12/13
陽ちゃん
8
会社をリストラされ、傷心のまひろは、子供の頃に訪れたことがある只見へ向かい、宿の若旦那時雨と彼の母親の女将さん、そして滋味たっぷりの山菜料理に身も心も癒されて…。美味しい山菜料理が食べたくなりましたが、関西在住の身としては只見は遠いなぁ~。シャクヤクの薬膳茶も体験してみたいです。そして、子どもの頃の苦い思い出が払拭されたうえに、新たな縁もできたようで、また只見に舞い戻ってくるんだろうまひろの姿が目に浮かびます。2023/11/01