内容説明
神代より伝わる秘呪具“天の瓊矛”が大内裏から強奪されたのが怪異の始まりだった。局地的な大地震が起き、太陽は二つに分かれ、熱海沖には一夜にして魔神の横顔にも似た島“真仏島”が隆起する。強奪に巻き込まれ惨殺された辻君の無念を晴らすため、瓊矛奪引に立ち上がった一休宗純の前に、神、仏、魔王を超えた存在“魔仏”たらんとする六代将軍足利義教、魔少年赤松貞村、謎の神官吉田憲法らが立ちふさがる―!中世神話の異様な世界を舞台に展開する怒涛のストーリー。誰が味方かはたまた敵か?巻を措く能わざる面白さ、ここに極まる。
著者等紹介
朝松健[アサマツケン]
1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務の後、’86年『魔教の幻影』でデビュー。ホラーをはじめ作品の幅は広いが、最近は室町時代に材を得た伝奇小説で注目を集めるほか、コミック原作なども手がける
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感想・レビュー
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辺野錠
2
安定の面白さ。例の如く大規模で奇想天外な事件が起こるが一休が事件解決に乗り出す理由が巻き添えで殺された人のためと言うのが彼らしくて良かった。しかし今回のメインである中世神話って創作かと思ったら本当にあったのねと驚いた。この話でまだまだ引っ張れそうだし巨悪との因縁が出来たしで続きがあるのなら気になる。2017/11/30
hroko
2
熱海沖に浮上した小島が異界となり、御所から盗まれた天地開闢に由来する「天の瓊矛」の探索と発見、そして結末という冒険譚、道中を友にする謎の少女や敵対する侍や妖術使い、その背景に、邪教をからめた幕府、調停、豪族の政争を描いて、著者の「一休」シリーズものとして安定した構成になっています。しかし、本作は、雰囲気が違います。どこか暗い、重苦しいような…一休のクエストは、いちおう、無事に終わりますが、政争は激しさを増していく時代、エピローグも切ない感じです。2013/10/13
冬至楼均
1
ラスボス登場。今までの話も、実は裏で糸を引いていたのではと思わせる迫力。治世の初期に設定したのは、お父上を出したかったからかな。2014/01/16
冬至楼均
1
魔仏対一休。前巻にもチラッと登場した天照と第六天魔王の”契約”が鍵を握ります。2011/07/30