内容説明
「秋好事件」という現実の事件に材を取って、一編の詩を思わせる美しい風景を作中に現出させた渾身の書下ろし最新作「光る鶴」と、吉敷竹史はなぜ刑事になったのか、そのきっかけとなった「最初の事件」を瑞々しい筆致で描いた珠玉の青春小説「吉敷竹史、十八歳の肖像」。ファン待望の書下ろし二編に、イラスト&エッセイ、対談、作品紀行グラフ、事件史年表など、吉敷竹史攻略編も充実したシリーズ最新作。
目次
光る鶴
事件の風景 吉敷竹史の旅
対談 吉敷竹史と「冤罪の構造」(島田荘司;山下幸夫)
書下ろしエッセイと競作イラストレーション 事件の女たち
吉敷竹史シリーズ ブックカバー・コレクション
吉敷竹史と加納通子 事件史年表
吉敷竹史、十八歳の肖像
著者等紹介
島田荘司[シマダソウジ]
1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。’81年に刊行された『占星術殺人事件』で本格ミステリー復興の旗手となる。常にミステリー界の最前線を走り続け、御手洗潔、吉敷竹史の両シリーズは圧倒的な人気を誇る。また、近年は、「冤罪事件」や「死刑問題」に象徴される日本人論などの社会的な発言や著作でも注目を集めている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
胡瑯
7
吉敷シリーズの総まとめ本。『光る鶴』は実際の事件を元にアリバイを探す話で興味深かった。他にも日本における裁判のありようの対談や作品舞台の写真、ブックカバーの一覧、最後の吉敷の警察官になるきっかけの話など、充実の内容。読んでいない既刊もこれを機に読んでいきたいと思った。2014/07/05
りゅうR
7
吉敷竹史のファンブック。冤罪事件を取り扱った短編『折り鶴』。弁護士さんとの対談。冤罪や死刑、三浦事件や司法と警察などの関係やマスコミなど、多種な問題点などを歴史的に見ながらわかりやすく対談している。吉敷竹史の学生時代の事件など。すごくせつないし、悲しいし悔しかった。友達の死は辛い。吉敷刑事と通子に関連した本の一覧など。私的にすごくおいしかった。吉敷刑事のシリーズは、謎めいた奥さんの陰を追う思慕を感じさせる内容が好きで、昔に読んでいた。読んでない本がたくさんあるのを知った。少しずつ読んでいこう。2013/06/09
Maki
4
御手洗さんに夢中になってきたけど、島田荘司さんのもう一人の重要キャラクター。ぽつぽつと読んだけれど、時代背景が古いせいか、どこか遠いところの物語という気がしていた。電車の時刻表を使ったトリックとか。でも吉敷さんの年表を見たりして、もう一度読み直してもいいかなあって思った。2016/02/22
お笑いループシュート
3
吉敷竹史及び加納通子のこれまでの歩みが読める本。 壮絶な運命に翻弄されたのね、二人とも。2019/12/10
アクセプター
3
何冊か読めていない本があることが判明、全集に収録されているあたりで探してみよう・・・2013/10/25