内容説明
警視庁史上、最強にして最凶の女性官僚・薬師寺涼子警視がパリに舞い降りた。パリの大学での特別講師として招かれたのだ。もちろん、忠実な僕（？）泉田準一郎警部補も強制同行…。空港に着いた涼子たちの目前で、老人がリスのような生物に脳を吸われ死亡してしまう。奇怪な生物が引き起こした事件に、涼子は嬉々として単独捜査を開始！被害者が、日本の巨大ハイテク企業・アルゴのヨーロッパ総支配人・藤城奈澄邸の使用人と知った涼子は、パリ市内の藤城邸へ突入するが…！！地上で最も危険な女・薬師寺涼子の痛快無比、傍若無人の活躍を描く絶好調シリーズ、特別書下ろしで登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
22
国際的な巨大ハイテク企業の一角で、錬金術をものにした元工学博士が作り出す、伝説上の怪物たち。怖い。私は学生の頃、モンティ・パイソンの映画で「人喰いウサギ」を見てからというもの、どんなに愛くるしい小動物と言えど、油断をしたことがない。やっぱりいるんだ、「人喰いリス」。怖い。相変わらず作者の、日本の政財界人や高級官僚に対する嫌悪感がはなはだしくて、偏見が過ぎるよなあと思いながらも、痛快である。2025/04/22
星落秋風五丈原
16
吸血鬼美夕」の垣野内成美さんの艶やかな表紙イラストのバックは巴里の街並。「魔天楼」「東京ナイトメア」と、「国内ではもう暴れ足りないわ」とでも言いたげに無敵のヒロイン、涼子は海外に飛び出した。行く先々で怪物だの妖怪だのが出現するんだろうと…(p26-27)」という泉田のボヤきは虚しく響く。さっきの問いに「たぶん、あたしたちは普通じゃないのよ」と涼子に応えられて、「自分も普通じゃない」事にされてしまった泉田、と涼子タイフーンに巻き込まれてしまう。2004/06/17
k16
15
シリーズ3作目。 今作はパリにて錬金術で生み出された怪物との邂逅。 薬師寺涼子のキャラ設定もよくスカッとする。2021/11/14
moon
15
パリ出張のお涼と泉田の前に現れるリスの様な小動物。耳元でささやかれた老人がその場で絶命する。大企業アルゴと妖獣の因果関係を暴くため、お涼とその忠臣が駆け巡る。マリエンヌ、リュシエンヌ初登場。テンポの良さは映画館で活劇を見ているよう。2012/12/09
highig
12
（ ＾ω＾）女王ＶＳ女帝！『ドラよけお涼』フランス出張編。古今東西あらゆる物語の舞台となってきた百鬼夜行が魔都・巴里を舞台に繰り広げられる、欲望と執念が産み出した錬金術の怪物とお涼達『違法捜査隊』の激突！やっぱり構成や展開、決着等に甘い部分が目立つが、そこはキャラクターの魅力でスラスラ読ませてくる。戦闘少女メイド・・・はて？刊行は２０００年１月、そういえばこの頃『まほろまてぃっく』が連載してたっけ。しかしこの上下二段に文章が配されたページレイアウトは、やはり田中芳樹を読んでるという気にさせてくれるなあ。2017/07/13
