光文社新書<br> 萩尾望都がいる

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光文社新書
萩尾望都がいる

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  • サイズ 新書判/ページ数 328p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334046200
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0295

内容説明

『ポーの一族』『トーマの心臓』『11人いる!』『イグアナの娘』…1949年生まれの萩尾望都。大島弓子、山岸凉子ら革新的な少女漫画家の中でも常に筆頭に挙げられ、50年以上にわたり時代の先端で新たな普遍的表現を切り拓いてきた。SF評論家である著者にとって萩尾望都は、まず美しく繊細な少女や少年の描き手であり、SF作家であり、自由と対等と共生の模索者である。戦後日本が唱えつつも未だ意識改革できていない課題―ジェンダー、多様性、親子関係等々について、その理想を失わず更新させ続けた表現者だ。本書では萩尾作品そのものの鑑賞と、その活躍の軌跡、また小松左京や橋本治をはじめ「誰がどう萩尾作品を論評してきたか」を通して魅力を存分に伝えるとともに、戦後社会がまだ達成できていない希望を見つめ直す。

目次

第1章 双子と自由とユーモアと―踊るように軽やかな表現の奥に
第2章 美しい宇宙、孤独な世界―萩尾SFが求める多様性社会
第3章 少年と永遠―時よ止まれ、お前は美しい
第4章 大泉生活の顛末と心身の痛み―少女漫画史再考1
第5章 「花の二四年組」に仮託されたもの/隠されたもの―少女漫画史再考2
第6章 SF少女漫画の夜明け―先人たちの挑戦と萩尾望都の躍進
第7章 次元と異界の詩学―漫画で拓いたSFの最先端
第8章 親と子、その断絶と愛執―母娘問題の先取り
第9章 ふたたび、すべてを―私たちが世界と向き合うための指針として

著者等紹介

長山靖生[ナガヤマヤスオ]
1962年茨城県生まれ。評論家。歯学博士。鶴見大学歯学部卒業。歯科医の傍ら執筆活動を行う。主に明治から戦前までの文芸作品や科学者などの著作を、新たな視点で読み直す論評を一貫して行なっている。’96年『偽史冒険世界』(筑摩書房、後にちくま文庫)で第10回大衆文学研究賞受賞。2010年『日本SF精神史』(河出ブックス)で第41回星雲賞、第31回日本SF大賞を受賞。’19年『日本SF精神史“完全版”』(河出書房新社)で第72回日本推理作家協会賞(評論・研究部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

120
萩尾望都は目につく限り読んできたが断片的になりがちで、作者の意図を汲んだり作品成立のプロセスを把握しながらとはいかない。家にある限りの萩尾本を集めて取り上げられた作品を参照しながら読んだが、映画やヘッセの影響、竹宮惠子との葛藤に絵のテクニックなどを明快に解説し、親子関係やジェンダーなど時代の抱える問題の影響も指摘して「なぜ萩尾さんはこの時期のこの作品を描いたのか」が系統的に理解できる展開だ。漫画史上での立場や文学的な方向性にも目配りを怠らず、戦後日本の代表的な表現者として萩尾望都を位置付けようとしている。2022/08/28

ぐうぐう

46
残念な一冊だ。「はじめに」の中で、萩尾望都の革新性を伝えようとして、他者を安易に引き合いに出す手法に危うさを覚えたのだが、予感が的中してしまった。そのような下品な手法を用いる必要がないことは、萩尾の作品を丁寧に読み解き、その素晴らしさを理解していればわかりそうなものなのに。特に、24年組をめぐる考察、中でも竹宮惠子との確執を利用して萩尾の正当性を主張する章には、げんなりとさせられた(萩尾が辛い思いをして語り下ろした『一度きりの大泉の話』をきちんと読めば、(つづく)2022/08/22

Shimaneko

26
著者が言うように熱烈なラブレター的側面も確かに否めないものの、内容はかなり精緻な萩尾望都論。例の「24年組」問題について細かく検証している少女漫画史再考の章も極めて重要。個人的な思い違いや記憶の美化は誰にでもあるけど、いまや教鞭をとる立場でもある竹宮恵子のそれは、かなり罪深いと改めて思うし、彼女の過去の作品のファンとしても非常に残念な気持ち。かたや萩尾については、まぢでそろそろノーベル賞とっても良いのでは。少女漫画草創期の作家群から巴里夫の名が抜けているのが気になったBBAとしてはねw2024/10/20

阿部義彦

26
著者は自分と同年代だけあって、リアルタイムに読んだだけに、詳細に調べて書いてます。巻末には参考文献が有ります。若い頃の小松左京さんが才能に驚いてずっと気にしていた、とあります。評論家受けは良くて、橋本治、中島梓にも触れられているし何よりもSFに一章を割いてその理数的思考に私でも降参です。タイムトラベル、超能力は勿論、平行世界や未来改編まで結末も考えずにやるなんて!時代考証も厳密にこの時代の年齢なども考慮して年表まで設えるなんて、文系の私には出来ないこと。全歴史(ポー再開まで)を網羅していてかなり深いです。2022/07/17

てら

19
著者の『日本SF精神史』が名著だったので購読。萩尾望都愛はよくわかりましたが、もう少し客観的・中立的な評論を期待していましたので、やや残念でした。ただ他の作家・評論家の萩尾望都論を並列させて比較しているため、ある程度受容史になっているのは良い構成。また、竹宮恵子の「大泉サロン」「24年組」神話の実態を検証したことも評価したいと思います。2024/03/24

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