出版社内容情報
日米の複雑な思惑や駆け引き、「ウォー・ギルト」とはいかなる概念なのかを、一次資料やBC級戦犯を描いた作品をもとに辿る。
内容説明
第二次世界大戦後の連合国による日本占領期、GHQ民間情報教育局(Civil Information and Education Section)は「ウォー・ギルト・プログラム」を実施した。文芸評論家の江藤淳はこれを「日本人に戦争の罪悪感を植え付けるための政策」と位置づけ、以後、保守論壇では「洗脳」言説が支持を広げていったが、それは学術的な根拠に基づくものではない。この政策はどのように立案・実施され、日本人はどう関わったのか。日本人は戦争とどう向き合い、その心理は時代を経てどう変わったのか。一次資料やBC級戦犯を主題にした映像を通じて、米国側の思惑と、日本側の受け止め方を明らかにする。
目次
第1章 なぜ「ウォー・ギルト」なのか(占領開始時の日米軋轢;「ウォー・ギルト」を理解させねばならない)
第2章 戦争の真実が知りたい―「ウォー・ギルト・プログラム」第一段階(「対日心理作戦」と「ウォー・ギルト」;「太平洋戦争史」;『真相はこうだ』;転換点を迎えた「ウォー・ギルト・プログラム」)
第3章 戦争から日常へ―「ウォー・ギルト・プログラム」第二段階(『真相箱』の変化;映像で発信された「ウォー・ギルド」;幻の第三段階)
第4章 「ウォー・ギルト」の本質に向き合う(改めて「ウォー・ギルト」とは何か;民間史料局のクリッピング史料;日本人と「ウォー・ギルト」;「ウォー・ギルト」の本質;そして民主主義思想の啓蒙へ)
第5章 映像の中のBC級戦犯―戦後の「ウォー・ギルト」を追う(戦争の犠牲者としてのBC級戦犯観;2000年代の戦犯映像;罪に向き合う戦犯)
著者等紹介
賀茂道子[カモミチコ]
名古屋大学大学院環境学研究科・特任准教授。名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。専門は日本政治外交史、占領史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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樋口佳之
おかむら
さとうしん
おっとー
新父帰る