出版社内容情報
「問い」は、「答え」よりも時を超えて大きな力を持つ。社会に対して「問い」を投げかけること=「アート思考」を得るための一冊。
内容説明
見えないものを見る。稀代のアートディレクターと考える、アイデア&イノベーションの育み方。
目次
第1章 アートは未来を提示する
第2章 「現代アート」の終焉
第3章 「アート思考」とは意識の壁を壊すこと
第4章 都市は本当に必要か?
第5章 芸術祭とは何か
第6章 “観る”から始める
終章 アート思考とは「問い」である
著者等紹介
吉井仁実[ヨシイヒロミ]
1967年東京都生まれ。アートディレクター。清春芸術村理事長。HOKUTO ART PROGRAM総合ディレクター。現代アートギャラリーhiromiyoshiiを運営。印象派、近代美術を扱う銀座の吉井画廊勤務を経て、’99年、HIROMI YOSHII EDITIONを設立。2010年、六本木にhiromiyoshii roppongiを開廊。’16年、アート&サイエンスギャラリー“AXIOM”を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
凛
17
アートとはアーティストが鑑賞者に投げかけた『問い』である事、そして鑑賞者に求められるのはその『問い』を考え、思考を広げる(アート思考)ことなのだとこの本を読み知り、今後の自分のアート鑑賞の在り方に大きな影響を与えてくれた一冊となり学びがとても多かったです。本書で紹介されるのはバンクシーなどの現代美術が主ですが、時代は現代美術から徐々にデジタルなどの新しい時代に向かっているらしく、今後の動向に注目しつつ新時代の到来を楽しみにしたいです。2024/07/08
クサバナリスト
13
長谷川愛、福原志保、脇田玲、落合陽一、真鍋大度、ビープル、マーティン·クリード、ジョシュ·スミス、遠藤一郎、石上純也、倉俣史朗、川原温等、知らなかったアーティストにも今後は注目したい。 「問い」、現状について、本当にこれで良いのか?と常に疑問を持つことが大切なのか?と思った。2022/05/09
kuukazoo
13
著者によればアートとは観た人の中に「問い」を投げかけるもので、その問い(内容だけでなくその提示の仕方も含め)が普遍的で洗練されていることが重要という。そうした視点から現代アートの作家(Chim↑Pomをかなり推してる)や、サイエンスアート、テクノロジーアート、バイオアートなどの新分野を紹介。《アート思考》というキーワードで手に取ったビジネス人にそうした最新のアートシーンや地方の芸術祭などに興味を持ってほしいような書き方に感じた。まずアートを見てその発する問いをキャッチすることから始めようって事かも。2022/03/23
sakanarui2
12
アートは社会に問いを投げかける存在であり、「問う力」こそがアート思考である、という立ち位置から、現代のアートについてさまざまな角度から解説する本。アートの役割や存在意義、アート思考の例、都市とアート、芸術祭、「観る」力など。 著者は父親の代から続く画廊勤務の後、アートディレクターとしてギャラリー運営のほかさまざまなアートプロジェクトに携わっている。子どもの頃から現在まで一流のアーティストや評論家と接してきた中で得た、貴重な知見やエピソードが多数。2024/09/10
阿部義彦
12
まだ有る美術の可能性。最先端のバイオアート、長谷川愛、福原志保、サイエンスアーティスト脇田玲、メディアアートの落合陽一等のテクノロジーと結びついたもの、はたまたストリート出身のバスキア、バンクシー、ポスト現代芸術のビープル、そして何よりも驚いたのが英国のターナー賞受賞のマーティン・クリードは何も作らないを実践した作品!デュシャンを超えたと個人的に思いました。日本からはChim↑Pom 、会田誠、遠藤一郎など美学校出身が気を吐きます。まだまだ、新しい可能性に満ちたアートは生まれているのだと目から鱗!刺激的2022/11/28