出版社内容情報
洋楽マニアの映画研究者が過去のインタビューやライブ映像、膨大な文献を収集し、Queenをめぐる「謎」を解き明かす。
内容説明
イギリス人が選ぶ「1000年で最も重要な曲」第1位、Queenの「ボヘミアン・ラプソディ」。2018年には同楽曲をタイトルに冠した映画も大ヒットとなった。6分近くある曲の長さや革新的な多重録音、当時珍しかったプロモーションビデオなど、そのユニークさをあげるとキリがない。ただ、この曲最大の特徴は不可思議な歌詞だろう。例えば同じく世界的な曲である「イマジン」や「ヘイ・ジュード」と比べても、圧倒的に謎めいている。この“異形の曲”にフレディはどのような叫び、祈りを込めたのか。あるいは意味なんて何もないのか―?洋楽ファンの映画研究者が膨大な文献をリサーチし、フレディの残した謎をめぐる冒険の旅に出る。
目次
第1章 異形の曲
第2章 コンプレックス・ソング
第3章 「プライベート」な曲
第4章 黒幕についての暫定的な結論
第5章 「仮説」はなぜ生まれ、広まったのか
第6章 「伝説」の向こう側―映画版『ボヘミアン・ラプソディ』を解く
著者等紹介
菅原裕子[スガハラユウコ]
学術博士(名古屋大学)。専門は映画研究。元々の洋画好き&洋楽好きが高じて、現在は非常勤にて名古屋市内複数の大学で英語授業を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九曜紋
12
1999年、英音楽番組で「過去1000年で英国人が選んだ最も重要な曲」に選ばれた、QUEENのボヘミアン・ラプソディ。大胆な曲構成とともに、難解な歌詞を持つこのフレディ・マーキュリーによる作品をどう理解・解釈するべきか。従来から諸説あったが、映画研究を専門とする大学英語教師がその謎に迫る。フレディ・マーキュリーという故人の尊厳に最大限配慮しつつ、彼のプライベートに踏み込み、検証を試みる。私を含め、「ボヘミアン・ラプソディ」の映画化により、かつてのQUEENへの愛着を再燃させられたファンには堪らない1冊。2021/08/17
ココアにんにく
6
映画のいろんなシーンが読んでいて浮かんできました。コラム③の著者へのインタビューとあとがきで本を作る大変さを知った。おかげで曲の背景が随分と補足されフィクションの部分や実際を意識して、もう一度映画を見たくなる。ジョーンズのカミングアウト説は確証バイアスを感じる。抽象的な歌詞なので個々が満足する解釈でいいのかも。英国の階層社会や「ボラプ」という言い方wなども初めて知った。METの「キャンプ」は映像検索すると言葉では表現しづらい感覚が理解できた。名古屋のQALのライブの映像も見入ってしまった。2022/02/02
琉希乃
3
バンドやフレディの名前は聞いたことあっても歌詞が何て言ってるかまでは知らなかった。そう言えば何年か前に映画化してたなぁって思うくらい。 これを読んでボヘミアン・ラプソディーがこんなに謎に包まれてるなんて知らなかった。私的にはセクシュアリティは個人のことだから亡くなってる人だとしてもそっとしておいたら良いのに。大学でのセミナーが反響を呼びそこからQUEENを知って貰いたい気持ちから新書を執筆しようと至ったみたい。調べていくと様々な仮説が溢れていてまとめるのが大変そうだと感じた。2022/09/13
Koki Miyachi
2
タイトルに惹かれて選択。本当の答えは誰にも分からないと思うが、謎を解くプロセスを筆者と一緒に体験できる。純粋に読みモノとして面白いと思う。2021/12/04
Satoshi Kitazawa
2
あの歌詞にそんな意味や噂があったとは知らなかった。2021/09/30