出版社内容情報
気鋭の心理学者が、その知見を総動員して書いた“トンデモ本”。信じるか信じないかはあなた次第。
内容説明
心理学、生理学、脳科学、量子論、人工知能、仏教、哲学、アート、文学、サブカルを横断し、世界の秘密に挑む。気鋭の心理学者による“トンデモ本”。
目次
自由意志と決定論と
暴走する脳は自分の意志では止められない
AI
そもそも人間の知っている世界とは?―知覚について
何が現実か?唯識、夢、VR、二次元
量子論
意識の科学の歴史
意識の正体
ベルクソン哲学にヒントが!
ベクションと心理学的決定論
マルクス・ガブリエルの新実在論
アートによる試み(妹尾の場合)
Cutting Edgeな時代に生きる
著者等紹介
妹尾武治[セノオタケハル]
九州大学大学院芸術工学研究院准教授。東京大学IML特任研究員、日本学術振興会特別研究員(SPD)、オーストラリア・ウーロンゴン大学客員研究員を経て、現職。東京大学大学院人文社会系研究科(心理学研究室)修了。心理学博士。専門は知覚心理学だが、これまで心理学全般について研究及び授業を行ってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
74
タイトルが結論。しかし結論は受け入れがたい。この本を手に取ることも、宇宙の最初から決まっていたというが、それはありえないのでは。シュレーディンガーの猫にも言及しながら、「いつ起こるか?」との関係を述べていないように思える。半世紀前、猪木正文『物理学的人生論』は、ラプラスの魔を認めつつ、不確定性原理のため、未来は厳密には未決定と結論している。138億年もの間に積もった効果は、統計的には未来の大筋を決めるが、個別には未確定の部分を残すのでは? リベットの実験とビックバンの間が埋まってないと思えるのだが。2021/04/28
tamami
57
極端とも思える人間の意志の環境決定論を原理的に解明?したもの。本書の帯には「気鋭の心理学者による‘トンデモ本」’とあり、見方によってはそれがドンピシャとも思える内容。筆者は昔、人間の行動の総ては複雑な条件反射の集合と考えたことがあるが、そのような立場からは面白さに溢れた一冊である。著者の横溢するサービス精神は、多くの心理実験の説明を、自身の体験・見聞した映画や小説、最近の事件に拾っていて、それをつないでいくだけでも、現代のサブカル論が書けそうである。それにしても、光文社新書編集部の英断には敬意を表したい。2021/04/14
Tenouji
35
生命とは、時間軸上に多様性を展開するかの如く、物事を複雑にし続ける何かである。これが私の定義である。著者も、概ねこのような方向で理解していることに心動かされたw。2021/04/19
山口透析鉄
33
市の図書館本で読みました。 興味深く、色んな引用もあって刺激されるところは多かったですが、著者も要素還元論至上主義に囚われているようで、ことはそこまで単純じゃないの?生命システムって福岡伸一氏のいうように、動的平衡状態にあって熱力学的開放系を維持する身のでしょうに、と思うところが多かったですね。 D・ホフスタッター氏は大著「ゲーデル、エッシャー、バッハ」で己の考えを心ゆくまで展開して書いていましたが、この内容、新書1冊には収まりらなさそうなテーマでしたね。他の著書も読んでみようとは思いましたが。2023/04/01
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
26
艱難辛苦に見舞われた方が「なぜ私が」という思いに苦しみ、その後は自責に走るという事例の多さよ。気休め以上の何かを提供するヒントがあるのではと期待して手に取りました。「私にとって、心理学的決定論とは”救い”である。皆さんにとっても、特に今絶望の淵にいる人にとって、この思想が救いになればと思っている」とあり、期待したとおり自責、罪悪感からの解放が目指されていたとわかりほっとした。2022/12/07
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