内容説明
「同調圧力」は学校から始まっている!パワハラ、忖度、自己責任、サービス残業、#KuToo…日本を愛する日独ハーフの作家が緊急提言!負の連鎖を断ち切る方法。
目次
第1章 学校は「ブラック」の始まり
第2章 サンドラが見たヘンな職場
第3章 女性に冷た過ぎるこの社会
第4章 外国人がカイシャから逃げていく
第5章 「世代論」から抜け出せない人々
第6章 ニッポンの明るい話
著者等紹介
ヘフェリン,サンドラ[ヘフェリン,サンドラ] [Haefelin,Sandra]
ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴22年。日本語とドイツ語の両方が母国語。「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
86
単純化すれば、体育会系=個よりも組織、「私」よりも「公」ということか。となると行き着く先は、特攻隊のように自らを犠牲にして「公」に尽くすことが称揚され、できない者は黙っとれ!(権利を主張するなら義務を果たせ)になるわけで。個人のささやかな想いやくらしは「大義」の前に飲み込まれてしまう。これは息苦しい!日本の病理のかなりの部分はここに起因するのではないか。著者は日本とドイツのハーフ。語り口は親しみやすいけど、文化論としても面白い。欧米では国などへの忠誠は、個人の幸せとどのような関係にあるのか、聞いてみたい。2020/02/23
1959のコールマン
73
☆5。頷きすぎてヘッドバンギング状態。首が痛い。いや、冗談抜きでここまで日本社会が体育会系だとは言われるまで分からなかった。まあそれくらい奴隷根性が自分にしみついていたんだろうなあ。なお、タイトルからは真面目でギチギチの本のように思われてしまいますが、全体的に「笑える」本です(かなり苦笑ですが)。リラックスできます。肩の力が抜けます。休めます(←これ大事!)。会社に、仕事に、社会に「追いつめられている」人には是非ともオススメ。なお、体育会系の良いところもキチンと書いてあります。ついで、って感じだけどね。2020/03/03
こも 旧柏バカ一代
46
運動が苦手だったので、体育会系のノリは本気で嫌だった。学校では10歳の成人式って聞いた時は本気で意味がわからなかった。最初は元服かと本気で疑った。そして、さまざまなブラック企業の話、実際に見たこともある。自身の力で民主主義を獲得してないから根っこは臣民のママなんだろうな。そりゃ、ドイツから来た人から見たら異様に見えるだろうな。。2020/04/18
レモン
42
今だに日本に蔓延る昭和の根性論がもたらす悪影響について言及されている本。概ね納得できる内容ではあるが、主張を補強するデータが欲しい。著者の主観がメインで、対策がほぼないor現実的でないものだったのが残念。体育祭でピラミッドやってる学校だったら転校を検討しましょうとか。PTAの必要性についてはよくわからないので、今年1年やって探ってみよう。体育会系の人は確かに思考停止に陥り会話ができない人が多い印象なので、この気質を醸成しない教育環境は大事かも。2024/05/16
Kentaro
42
日本の体育会系的な「闇」が顕著にあらわになるのは、アジア圏などからの技能実習生に対してだ。彼らを朝から午前2時まで働かせたり、給料を2か月に一度数万円程度しか支払わなかったり、2年間の支給総額が200万円にも満たなかったりと、「時間」と「お金」のどちらの面でもあり得ないことばかりだ。中には、仕事中に負傷したのに「BBQで怪我したことにして」と上司に言われ、労災が下りなかった外国人実習生もいる。2024/01/14