出版社内容情報
宇宙はどこかで途切れているのか、それとも無限に続いているのか?最新の宇宙論の成果を交えて多角的に想像をめぐらせていきます。
内容説明
宇宙に「果て」はあるのか、ないのか。宇宙に「外側」はあるのか、ないのか。それとも…。最新の宇宙論の成果を交えて「根源的な問い」を考える。
目次
第1章 気が遠くなる大きさ
第2章 無限に続く宇宙とは
第3章 時空間は曲がっている
第4章 空間曲率の測り方
第5章 バリオン音響振動と空間曲率
第6章 有限に閉じた宇宙
第7章 無限大を手なずける
第8章 もし宇宙が無限だったら
第9章 有限と無限のはざま
第10章 情報の宇宙
著者等紹介
松原隆彦[マツバラタカヒコ]
1966年長野県生まれ。高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所・教授。京都大学理学部卒業。広島大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。東京大学大学院理学系研究科、ジョンズホプキンス大学物理天文学科、名古屋大学大学院理学研究科などを経て現職。井上科学振興財団・井上研究奨励賞および日本天文学会・林忠四郎賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カレイ.シュウ
62
難しいけど面白い。宇宙はビッグバン、インフレーション理論などから、自分の理解では有限なものが膨張していると思っていましたが、観測可能な宇宙の外側やユークリッド幾何学的に基づく観測結果からは、閉じている=有限である証拠がない!?というのは衝撃的でした。宇宙を理解するには数学と量子論がカギのようですが謎が解ける日は来るのでしょうか?2020/06/23
ニッポニア
46
大きい数を考える時、宇宙は都合が良い。以下メモ。わかっていない問題について、どのようにわかっていないのかを知ること。仏の悟りの大きさを表す単位、不可説不可説転は1の後ろに0が37澗(兆の6個上の単位)個つく、無量大数は1の後ろに0が68個しかつかない。さらに上の数、10の100乗をグーゴルと呼び、10の10グーゴル乗のことを、グーゴルプレックス。空間がまっすぐでないということは、時間もまっすぐでない。曲がった空間でまっすぐ進もうとしても軌道が曲がる。宇宙が生まれた理由とは、時間や空間は特別なもの。2024/12/30
けんとまん1007
43
宇宙は今も膨張している・・と、耳学問。そうなんだと思いつつも、その先は・・と思う部分もある。有限と無限。無限のほうが、面白いとは思うのだが、宇宙の説明となると難しい。それでも、名前だけは知っている偉人たちがでてくるので、それはそれで面白い。2020/04/13
inami
31
◉読書 ★3.5 結論:「宇宙が無限なのかどうかというのは、現代の科学では答えの出ていない未解決問題です」と・・そりゃあそうだと思いつつ、でも、わかっていない問題について、それがどのようにわかっていないのかを知ることは実に楽しい。「空間曲率」「バリオン音響振動」「くりこみ理論と無限大」「量子論における時空間」等は雰囲気しか分からない・・オルバースのパラドックス(:夜空はなぜ暗いか)が解けたのはスッキリした。宇宙のことが少し理解できるようになると、心がおおらかに、そしておだやかになる、宇宙の興味は尽きません2019/11/28
haruka
25
この宇宙の広さ、そしてほかの宇宙の数は、はたして無限か有限か?相対性理論やら量子論を武器に謎にせまっていく。だけどそもそも時空間は、情報処理の中から生み出される仮想的なものでしかないという説もある。だとしたらこの問いには意味がない。もともと存在しないし、宇宙は情報のやり取りにしか過ぎないから。きっと「空間」は私たちにとっての「時間」のようなイメージのもので、「進めばあらわれてくる・・(ように見える、ただの情報)」なのかなと感じた。私の脳では想像が限界なだけかも知れないが、無限が「すでにある」なんて思えない2024/10/09