出版社内容情報
菊池良和[キクチ ヨシカズ]
著・文・その他
内容説明
言葉に詰まること=悪いこと?自ら吃音に悩み続けてきた医師が綴る、自分を受け入れ、他者を受け入れるヒント。
目次
第1章 私の吃音体験(三つの症状;吃音の不思議 ほか)
第2章 吃音の発症の原因(吃音はいつ始まるのか?;悪者は母親? ほか)
第3章 吃音治療の歴史と現在(吃音治療の始まり;「吃音を治す」から「吃音とどう生きるか」へ ほか)
第4章 吃音外来(年中―「吃音」という共通語を使う;年長―吃音はママのせい? ほか)
第5章 吃音と社会のこれから(吃音者の社交不安障害;聞く力 ほか)
著者等紹介
菊池良和[キクチヨシカズ]
1978年山口県生まれ。医学博士。医師。専門は吃音症。鹿児島ラ・サール高校卒業。九州大学医学部卒業。九州大学大学院医学研究院臨床神経生理学教室で博士号を取得。現在は、九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科助教として、日本で数少ない吃音外来も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゅんさん
44
著者であり医師である本人が吃音の当事者だけあってすごく伝わってくるものがあった。吃音をもつ人たちがどんな困難を抱えているか、どんな人となら話ししやすいかが知れてよかった。自分は障害者やハンディがある人に理解があり寛容だと思ってる人でも知らないと対応できないことがあったり知らずに傷つけていることは少なからずあると思う。知ることは大事。2019/07/16
さおり
43
著者の菊池さんは、自身も吃音に悩んで大人になり、ついには専門医になったお方。年は私のいっこ下。ご自身の吃音の経緯、日本・世界の吃音治療の歴史、外来で診ているケースを通しての現在の治療のことなど。これ1冊で、吃音について一通りわかります。読んで何を思うかと言うと、反省しかないよね。大学出てからずっと「障害」と関わる仕事をしてきた私は、もはやこれ系で大きく外すってことがなかったはずなんだけどさ、認識とか対応とか。今までの私、全くわかってなかったよ!!やばい。っていうか、平良のことも大好きなのに。はー、反省。2022/05/13
おいしゃん
38
自分も以前、深刻に吃音に悩んだ時期があるため、とても共感しながら読んだ。こういった専門の医師が増え、世間での吃音への理解が深まることを切に祈る。2019/04/06
小木ハム
31
吃音関係の本はこれで6冊目。海外の研究についても少し触れられており参考になりました。雑談を楽しむ秘訣は『しょうもないことを言う』人を笑わせるコツは『間』だと思いますが、吃りながら伝えるしょうもないこと・タイミングの逸れたツッコミは場が白けてしまい、これが当事者にはとても悔しい。ノリが悪いな、とか、間が悪いなと感じることがあったら、もしかして吃音なんじゃないかな?と察してもらえることが救いになる。隠れ吃音も含めた潜在患者数が120万人ということは、一体どれだけ周知されているのだろうか。2020/07/10
hatayan
30
話し始める言葉を正確に発音することが難しい「吃音(きつおん)」。自らも症状を持つ医師が、吃音者の日常や治療の現場を解説。 特定の音で始まる言葉を口に出せないために、切符が買えない、注文ができない、音読ができない。詰まる音を避けて別の言葉に言い換えるなどで悟られない習慣を身につけるが、かえって治療から遠ざかり対人恐怖につながるなどの懸念が示されます。 吃音の原因は愛情不足ではなく、遺伝説が有力。周りの支援によって症状は改善しうるとします。 見えないところで悩んでいる人がいることはもっと知られてよいはずです。2019/03/01