出版社内容情報
石黒圭[イシグロ ケイ]
内容説明
脳内の辞書を豊かにする22のメソッド。語彙力で知性と教養を磨け!
目次
第1章 語彙についての基礎知識(語彙について考える;理解語彙と使用語彙)
第2章 語彙の「量」を増やす(類義語を考える;対義語を考える;上位語と下位語を考える ほか)
第3章 語彙の「質」を高める(誤用を回避する;重複と不足を解消する;連語の相性に注意する ほか)
著者等紹介
石黒圭[イシグロケイ]
1969年大阪府生まれ。神奈川県出身。国立国語研究所研究系日本語教育研究領域代表・教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文章論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
60
自分が使う言葉、日本語というものを、考え直した時間になった。語彙力という意味も、理解の仕方はいろいろある。百人百様であること。そこから、思考を始めること。また、いかに実体験するかということも考えた。まさに、日々の地道な積み重ねにつきると思う。一見、いいことのように感じるが、時間を置いて考えると、勢いだけの言葉が増えている。そんな今だからこそ、この本の視点を大事にしたい。2024/11/18
ばりぼー
36
分かりやすい文章の弱点は、表現が定型化されていてつまらないことである。分かりやすさを優先するがゆえに、手垢のついた表現で構成されがちで、陳腐で脆弱な表現が増えてしまう。例えば、「試験前に読書に熱中する」というのは自然な表現だが、普通過ぎる。「読書にハマる」ともできるが、雅な感じに欠ける。「読書に浸る」とする手もあるが、「読書に耽る」というのが、最も熱中している感じが出る。雅語は表現に潤いを与えてくれる。また、文語調は言葉に重厚感を与えてくれる。「誰が為に鐘は鳴る」「風と共に去りぬ」などが良い例である。2019/04/02
KAKAPO
35
人間の思考力を規定するのは言語力であり、言語力の基礎になる部分は語彙力に支えられている。語彙力は学力とも相関関係があり、語彙力が高い学生の方が一般に成績がよい。語彙力を高めるには、語彙のインプットを増やすことが必要条件。そのために有力な方法は多読である。本書は、語彙の「量」を増やし「質」を高める方法を詳しく解説しており、非常に参考になる。そして最後の「心に届く言葉を選択する」では、物語の当事者になったように心を揺さぶられる文章が紹介されており、語彙力の最後に必要なのは、暖かい心であることを教えてくれる。2020/05/13
積読亭まめウサ☆積ん読減らしたいのに増えてく
30
語彙力=語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(精度の高い語彙運用) この本を読んで、日本語は難しくもあり面白いものだと気付かされた。ここ読メで感想を書く際、自分が言いたいこと・伝えたい事をうまく表現できないと常々感じていたけど、私にはまだまだ語彙の量が足りず、うまく運用できていないせいだと思った。「文脈に合わせて適切な語を選択する力を持った人」になれるよう沢山の本を読み、いろんな人の話を聞きたいと思う。2017/03/31
更紗姫
30
中国政治の中心概念「共産主義」「幹部」「組織」などの言葉は逆輸入された和製漢語なんだって!日本語の<組合わせの妙>というところかな。日頃 中国には圧倒されるばかりなので、私にとって これはちょっと嬉しい情報。本書は、日常接する「違和感」を元に、その理由とより適切な語に置き換えるポイントを説明してくれる。身近な例がとてもわかりやすい。まず「和語」と「雅語」に言い換える練習から始めてみたい。著者が横浜市泉区の公道で牛に追いかけられたという挿話、笑った。はい、(本当の)横浜の「奥地」よく知ってます。2017/03/19