内容説明
足りないのは愛情ではなくシステム。ソーシャルビジネスの手法で猫の保護活動に取り組むNPO法人代表と、不動産研究の第一人者がコラボした猫と人との共生を考える一冊。
目次
第1章 忘れられない猫レスキューあれこれ(保護活動の一端を知ってもらえるように;きなこちゃんの分かれ道 ほか)
第2章 猫カフェ型のシェルターはこうして生まれた(家族の一員なのに殺処分という現実;足りないのは愛情ではなくシステム ほか)
第3章 猫と暮らす住まいの理想と現実(野良猫と飼い猫;完全室内飼いと不妊去勢手術 ほか)
第4章 保護猫付き住宅を全国に(引き取り手の多い子猫、少ない成猫;最初に考案した「猫付きマンション」 ほか)
第5章 これからの保護活動を考える(保護と譲渡の効率を高める;不動産ビジネスともっとコラボする ほか)
著者等紹介
山本葉子[ヤマモトヨウコ]
東京都生まれ。NPO法人東京キャットガーディアン代表。2008年に猫カフェスペースを設けた開放型シェルター(保護猫カフェ)を立ち上げる。4000頭以上の猫を里親に譲渡。住人が猫の預かりボランティアをする「猫付きマンション」「猫付きシェアハウス」も考案
松村徹[マツムラトオル]
大阪府生まれ。ニッセイ基礎研究所不動産研究部長。1978年大阪大学経済学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
126
著者は、猫の殺処分ゼロを実現するのに「足りないのは愛情ではなくシステム」と考え、猫カフェ型シェルター(保護猫カフェ)を設立。四千頭以上の猫を里親に譲渡した実績を持つ。他にも猫付きのシェアハウスやマンションも考案し、徐々に広まりつつある。地道な活動が実を結び、昨今の殺処分数は減少傾向にあるものの、未解決の課題も少なくはない。新しい家族を検討する時にペットショップ一択ではなく、行き場を失った保護猫(犬)を迎え入れるという選択をする人がもっと増えるといいのにな。今後の保護・譲渡システムの確立に期待したい。2020/05/15
スパシーバ@日日是決戦
100
{2015年} 日本全国で飼育されている犬・猫は合わせて約2000万頭(ほぼ同数)。これは15歳未満の人口(約1600万人)の数を上回っている。その一方で、年間犬(約3万頭)や猫(約10万頭)が殺処分されている。7年間で4000頭の譲渡実績「保護猫カフェ」を上げ、さらに「猫付きシェアハウス」「猫付きマンション」で猫の保護活動に取り組んでいる。野良犬は全く見かけなくなりましたが、野良猫はちょいちょい見かけます(警戒心強し)。飼い主さんには、猫にとっての幸せとは何か?を今一度考える切っ掛けとなれば幸いです。2016/08/21
み
28
週末に著者の方がラジオでお話しされてたのを聴いて手にしました。面白いです♪ビジネスにされた発想と行動力とステキです。猫付き高齢者施設も実現して欲しいです、あたしうん十年後に住みたいです(^o^)2016/05/10
りらこ
27
うちの猫はここから来た。東京キャットガーディアン。この本を読むとちょうどお引越しされる前だったようだ。ペットは必ず保護団体からと決めていたので、こちらの理念に共感し、審査を受けたのだ。保護猫だからなどと今は思うことも一切なく、大切な家族。さて、こちらの活動は企業理念のある経営である。足りないのは愛情ではなくてシステム。ホームページを見てもその充実ぶりがわかる。Amazon欲しいものリストにも今必要なものがいつも載っているから、私もできる限り何かを買って送るようにしている。2021/02/15
織町
24
“日本のペット流通問題を俯瞰すれば、殺処分ゼロ達成のために足りないのは愛情ではなくシステムだといえないでしょうか。”今まで読んできた動物保護本よりも、もっと大きな視点と様々な発想で動物保護を捉えてる本だと思い、唸りました。山本さんの考えていることが実現したら(不動産ビジネスとのコラボ、獣医師との連携、保護行政の民間委託、民間保護団体からの猫の譲渡の浸透と定着、地域猫)これは、本当に殺処分ゼロに近づくだろうし、新たなモデルケースとなるんじゃないか。ここでは書ききれないほど勉強になりました。2016/04/18