内容説明
「教え方を知らない教員」が8割。鈍感教員、学ばない教員、学べない教員、コミュニケーション不全教員、理念欠如型教員―「残念な教員」を量産する学校教育現場の「失敗のしくみ」を踏まえ、過去の教育実践の蓄積と著者自身の取り組みをベースに、未熟練教員と生徒を共に成長させる方法を提示する。
目次
第1章 教育現場の実状
第2章 教師の技術
第3章 教育現場における「評価」
第4章 教員の成長
第5章 授業について
第6章 教員が技術を身に付ける順序
第7章 身に付けてほしい3つの力
著者等紹介
林純次[ハヤシジュンジ]
1975年埼玉県生まれ。京都大学大学院教育学研究科修了。大学卒業後、大手新聞社に記者として入社。事件・事故、医療、政治、教育、高校野球などを担当する。フリーランスジャーナリストに転身した後は、事件や政治の記事を書きながら、カンボジアやパレスチナなどの貧困地帯や紛争地域を取材。一方でサッカー日本代表についても取材執筆を行った。2003年、教育者に転身。2012年度読売教育賞優秀賞(国語教育部門)受賞。現在は関西の中高一貫校で教鞭を握っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mizshnami
50
残念なことに本書で指摘されているような残念な教員は確かにいます。そしてまた、完璧な教員はいません。どの仕事でも失敗と反省を繰り返して技術や洞察力を身に付け成長していくものです。この職業はミスが子供の生き方に影響を与えてしまうことがプレッシャーなのですが、それを感じとれないのが残念なんですね。驕りがあり向上心を失った人も残念だと思います。2016/04/28
カピバラ
48
読みやすくて、わかりやすかったが非常に耳が痛い一冊でした。現場の教員をしている著者だからこそ書けた内容でしたねぇ…もし、教員として復帰する日がきたら、肝に銘じたいことがたくさんありました。謙虚に研鑽する気持ちをなくしてはいけない。授業が上手くいかないことを生徒のせいにしてはいけない。2016/04/04
やす
44
教え方を知らない教員、努力しない教員は一部には確かにいると思うが、果たして8割という根拠はどこにあるのか疑問に思った。この本を読みながら、どのような人に向けて書かれているのか考えさせられた、教職を目指している学生、力をつけようとしている若手の教員、残念な教員、管理職、保護者、生徒など読み手によって感じ方がかなりちがうのではないだろうか。読み物としては、考えさせられるところがたくさんあった。2015/09/22
きいち
44
意外にも「自分は自分の持ち場で明日から頑張ろう、よっしゃ!」という読後感。さすが、もがくことも先人から学ぶことも忘れぬ第一線のプロの言葉。◇もちろん個々の教員の残念っぷりは縷々語られるのだけれど、その個人を責めている書き方ではない。本当に問題視されているのは、学校現場の組織マネジメントのなさや育成システムの拙さ、そして予算や人員などの資源配分の小ささ…。そう、責められているのは、そんな学校でいい、予算もそれなりでいいという我々だ。◇確かな技術を広げるには、金なり手間なり、ちゃんと手配せねばならんのだから。2015/04/05
mana
40
教養として、読了。実際こういう先生いたなーと思いながら読んでた。この著者の先生は、意識が高い。ただ、ややキツく、意識が高すぎて空回りしていないかなとは思った。教師に憧れはあるけども、こういう本を読むと自分には無理なのかなと思ってしまう。でも、みんながみんなこのような教師になると、それはそれでしんどそう。2023/02/12