内容説明
本書では、日本社会にはびこる「迷惑行為」について、さまざまな視点から考えてみた。迷惑という言葉で連想される、その典型的なものは、駐車違反や、電車やバスの中で座席を占領したり、ゴミをポイ捨てするといったたぐいの行為であろう。しかし、何が迷惑なのか、何が正しいのかなどというのは、実は微妙なバランスで成り立っており、ちょっと視点をずらせば、良いとか正しいという基準は、かんたんに変わってしまうのである。しかし私たちは、「そんなの迷惑に決まっている」とか「あの人は迷惑な人だ」という場合、それ以上そのことについて深く考えたりしない。迷惑についての自分の認識を、本当に正しいのかなどと疑ったりはしないのである。
目次
プロローグ そもそも迷惑行為とは?
第1章 なぜ、夜の幹線道路は誰も制限速度を守らないのか?―「記述的規範」と「習慣」の影響力
第2章 電車内では携帯電話の電源を切るべきか?―迷惑行為と、場所・時代との関係
第3章 なぜツイッター騒動は繰り返されるのか?―ルールと迷惑の微妙な関係
第4章 どうすれば列の横入りをやめさせられるのか?―迷惑行為の抑止策
第5章 ベビーカー問題はどうしたら解決できるのか?―クリティカル・シンキングで考える「落としどころ」
著者等紹介
北折充隆[キタオリミツタカ]
1996年、名古屋大学教育学部(教育)心理学科卒業。2001年、名古屋大学大学院教育発達科学研究科(心理発達科学専攻)博士課程後期課程修了。2002年、金城学院大学人間科学部心理学科社会心理学専攻専任講師を経て、金城学院大学人間科学部(多元)心理学科准教授。博士(教育心理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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