光文社新書<br> 日本語の宿命―なぜ日本人は社会科学を理解できないのか

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日本語の宿命―なぜ日本人は社会科学を理解できないのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 268p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334037208
  • NDC分類 300
  • Cコード C0281

内容説明

欧米諸国よりも遅れて近代化の道を歩み始めた日本は、舶来の文化や文明を急速に輸入することを迫られた。だからこそ、日本語には、多くの外来語や翻訳語が存在するのである。それは、今日の日本語にとって、宿命とも言うべき事態であろう。ただし、単に外来語や翻訳語を採り入れることは、それらを正しく理解することと同じではない。われわれは、「民主主義」や「市民」の意味を正しく理解してきたのであろうか。「個人主義」や「共和国」といった事柄を、本当に知っているのであろうか。本書が取り上げるのは、そういった問題である。

目次

社会
大衆
個人
市民
NPOとNGO
民主主義と共和制
権利と権力
「法治主義」と「法の支配」
首都と資本
主観的と主体的
愛国心と国粋主義

著者等紹介

薬師院仁志[ヤクシインヒトシ]
1961年大阪市生まれ。帝塚山学院大学リベラルアーツ学部教授。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程(教育社会学)中退。京都大学助手、帝塚山学院大学専任講師、同大学助教授を経て、2007年より現職。主な専攻分野は社会学理論、現代社会論、教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

13
この本の最大の問題点は短いぶつ切りの記事をまとめて本にしたため、本全体を通した躍動感に欠けること。とはいえ、社会学を勉強する上で直面せざるをえない、翻訳語からなる日本語が、原語の知識なしでは理解不能であるという恐ろしい問題を概観するという意味では勉強になる。もちろん、これは著者の専門とする社会学にとどまるものではない。日本語で生活していると思い込んでいる我々全員は、実際には西洋語によって作られた世界に住んでおり、それなのにその社会のシステムを、翻訳語からなる世界からは推し量ることが出来ないという大問題。2018/05/21

ステビア

6
良著。勉強になります。2014/01/29

rabbitrun

2
『社会主義の誤解を解く』が面白かったので手に取ったものの本書の主張は納得に至らなかった。「民主主義」や「市民」といった社会科学の用語は外来語であり、翻訳されたときに意味が変化してしまうため日本人はこれらの概念を完全には理解できない(日本には真の民主主義が根付かない)とするのは短絡に過ぎるだろう。2019/09/20

Masatoshi Oyu

2
本書のいいところは、個人、社会、市民など、学問をするうえで重要だがわかりにくい概念を非常にわかりやすく説明してくれているところである。 また本書は、翻訳語がなぜ日本人にとって難しいのかを説明する。それはまず、これらの翻訳に充てられたまたは活用された漢語からして外来語であるという点である。一度翻訳すると、原語の意味に漢語としての意味が付きまとう。さらにそれらが定着すると、今度は日本語として独り歩きを始める。そうすると、日常の用法からこれらの用語について考えると、意味の把握がほぼ不可能になってしまうのである。2018/08/20

よしお

2
外来語、翻訳語に限らず、言葉から正確に意味が読み取れなければ、誤解は生じる。実例が豊富なのが良かった。2016/05/03

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