内容説明
ムンクの『叫び』は、画面全体が叫んでいる!時を超え、美を生む構図にせまる。
目次
1 平面(「点と線」がつくる構図;「形」がつくる構図)
2 奥行き(「空間」がつくる構図;「次元」がつくる構図)
3 光(「光」がつくる構図;「色」がつくる構図)
4 人体(人体を描く;美術解剖学)
著者等紹介
布施英利[フセヒデト]
芸術学者。1960年群馬県生まれ、東京藝術大学美術学部芸術学科卒業、同大学院美術研究科博士課程修了(美術解剖学専攻)。大学院生のときに二冊の著書を出版。レオナルド・ダ・ヴィンチの研究などをする。東京大学医学部助手(解剖学)として、養老孟司教授のもとで、科学と芸術への思考を磨く。現在は東京藝術大学准教授、専門は美術解剖学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
41
随分とふざけた良書で、「美術解剖学」を専門とする、アカデミックな知識に裏打ちされた絵画の読み解き方は分かりやすくて、新鮮で、新しい視点をもらえます。と思っていると、絵画と言っている割には彫刻や庭園、建設を取り上げての説明、ほほう、手を広げるねえ、と思い読んでいると、「脱線します」と言い放ち、仏像の説明から、釈迦の生涯と仏像の起源をガンダーラなどに求めてのお話しを一章費やしての熱弁。しかしそれが最後には構図の意味と意図、名画が名画である所以などをきちんと知らしめる大団円になっています。いや、いい本です。2016/11/14
ホークス
25
挫折本。再読防止のため登録。絵画の原理の分かりやすい解説を期待した所、私のレベルでは「原理を前提とした蘊蓄」にしか感じられず。2021/09/04
どんぐり
24
構図は絵の世界そのものを語る。重要なのは画面の中の「バランス」である。点と線(垂直線、水平線)、形(対角線、三角形、円と中心)、空間(一点遠近法、二点遠近法、三点遠近法)、次元(二次元、三次元、四次元)、光(室内の光、日の光、物質の光)、色(赤と青、赤と、青と黄色、白と黒)、これらの要素は絵画の文法である。絵が「いかに」描かれたか、そこに秘められた絵画の構図を読み解く。なるほど、とうなずく点が多い。2014/03/10
ヒロミ
20
オールカラーで絵画も収録されている珍しい新書。前半は美術の基本的な構図の話だが、後半から仏像や美術解剖学の話に移り、ちょっと構図とは関係ないようにも感じた。読み応えがあり勉強になった。2015/06/27
ナキウサギ
18
本来、紙の上には2次元の世界しか描けない! それに、陰!影! 光を取り入れ、様々な遠近法を使い3次元を実現させる。 その先、4次元はどのようにするか!? 曲線をつけて動きを持たせると4次元の 理想的な世界が浮かび上がる。 つづいて、、『仏像の誕生』を再読しよう。2019/11/13