内容説明
周期表は、実はこんなに面白い!元素が生まれる3つのケース。140万年狂わないセシウム時計。重い元素は恒星爆発のチリ。その仕組みから、自然科学の謎に迫る。
目次
第1章 周期表には何が書かれている?
第2章 周期表から宇宙を読み解く
第3章 化学反応を繰り返す人体
第4章 私たちはなぜ、動くことができるのか
第5章 レアアースは“はみだし組”ではない!
第6章 美しき希ガスと気体の世界
第7章 周期表からリスクと健康を見きわめる
著者等紹介
吉田たかよし[ヨシダタカヨシ]
1964年生まれ。東京理科大学客員教授。医学博士。東京大学大学院工学系研究科を卒業後、NHK入局。アナウンサーとして活躍した後、北里大学医学部にて医師免許を取得し、受験生専門外来「本郷赤門前クリニック」を開設。医師として活躍するかたわら、数々のテレビ番組にもレギュラー出演中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
64
宇宙に存在する元素、地球に存在する元素、人体に存在する元素は密接に関係していることがわかります。なぜなら地球上で生まれた元素はなく(核分裂などの稀な例外を除く)すべて宇宙にあるものから人も構成されているからです。周期表が大きな意味を持つのはこの表が各元素の電子配置を示している点です。人体の仕組みも原子がより安定した状態になろうとする電子のやり取りに大きく依存しています。人の神経伝達はナトリウムイオンとカリウムイオンの移動でありこの2つの元素が無ければ人体は単なる抜け殻に過ぎません。2023/02/28
たー
33
周期表の面白さが日常(特に医療関係)と結びつけて分かりやすく書かれており、なかなかの良書。2013/06/01
白義
23
一見すると無味乾燥な元素周期表にこそ、人体から宇宙までありとあらゆるものの歴史と化学的メカニズムの真髄が詰まっている、という魅力的な視点から書かれた化学入門。地球や生命の誕生、セシウムやストロンチウムがなぜ体に悪いのかといった時事ネタからヘリウムガスで声が変わる理由まで、周期表一つをネタにここまで魅力的な雑学を散りばめそのシンプルな完成度と美しさを伝える素晴らしい筆力である。「人体がよく使う元素の真下にある元素は有害な場合が多い」など独自の法則や覚え方も飛び出して最後まで全く飽きさせない、趣向をこらした本2016/03/14
安部圭二
19
元素周期表みて、しびれる人ってなかなかいないと思うんですけど、この世になるものは現在知られている約90の元素で成り立っているっていうことには私もしびれました。しかもそれらの元素は地球上で新たに生まれることはない、って事も。他にも何故セシウムなどが体に害を及ぼすのか、何が体は求めていて、何が毒なのかを周期表みて紐解くことは面白かったです。お勧めです。2016/06/22
かいゆう
18
元素の構造、そもそも周期とは何なのかという部分がとても分かりやすく、周期表の並びの意味を理解することができました。飛行船には水素でなくヘリウム、はやぶさの推進剤はクリプトンやラドンではなくキセノンが使われたなど、他にも性質の似た元素があるにも関わらず、どうしてその元素が使われているのかなど、どの話もとても興味深いものでした。また著者は医師ということで、身体の構造や病気と元素の関係など身近な部分と関連して書かれているものが多く読みやすかったです。ますます元素に魅力を感じ、元素をもっと知りたいと思いました2014/04/11