光文社新書<br> 「ゼロリスク社会」の罠―「怖い」が判断を狂わせる

電子版価格
¥628
  • 電書あり

光文社新書
「ゼロリスク社会」の罠―「怖い」が判断を狂わせる

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334037062
  • NDC分類 498.4
  • Cコード C0236

内容説明

現代の我々を襲うリスクは、歴史や経験からは教訓を引き出せないものばかりである。何が、どれくらいの量あると、どれだけ危険なのか。イメージや先入観、本能の発する恐怖に惑わされずに、一人一人が定量的に考え、リスクを判定していくためにはどうしたらよいのか。本書では、この時代を乗り切ってゆくために必要な「リスクを見極める技術」について、著者の専門とする「化学物質」「医療」「健康」の分野を中心に解説。さらに放射能のリスクについても、基礎から再考する。

目次

第1章 人はなぜ、リスクを読み間違えるのか
第2章 「天然」大好き、「化学」は大嫌い…の罠(―真実はグレーの中に)
第3章 ゼロリスク症候群という罠―メタミドホス禍から学ぶ
第4章 「発がん」の恐怖―という罠
第5章 「狂った油」「血液ドロドロ」の罠―トランス脂肪酸について、ひと言
第6章 善意の砂糖玉・ホメオパシー―代替医療(疑似科学)の罠
第7章 「改めまして、放射能基礎講座」―放射能の恐怖、という罠

著者等紹介

佐藤健太郎[サトウケンタロウ]
1970年、兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターに転身。2009年から3年間、東京大学大学院理学系研究科広報担当特任助教をつとめる。『医薬品クライシス』(新潮新書)で、科学ジャーナリスト賞2010を受賞。2011年には、ウェブ・書籍などを通じた化学コミュニケーション活動に対し、第1回化学コミュニケーション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

171
誤ちを責めてリスクを取れない社会に新たな物事は生まれにくく問題は多様である。リスクとの向き合い方を研ぎ澄まし思考や行動力を成長させる本書かと手に取ったが、化学物質・食品・健康を主に取り上げていた。天然素材は安全で添加物は本当に危険なのか。人工的な物質は悪なのか。安全な水でさえ過剰摂取すれば中毒となるようにリスクを見誤れば不健康となる。適量であれば人間の体には防御機能が備わっている。定性から定量思考へ。過剰なリスクゼロを求めることで自らにリスクが生じることもある。ゼロではなくバランスを保つということが大切。2022/09/23

ロア

39
ゼロリスク幻想。目につくリスクを避けようとして、より大きなリスクを招き寄せてしまってはいないか?人々にとって悪いニュースはマスコミにとっては価値のある良いニュース。「安全」と言ってしまった後から危険性が発覚した場合には責任が発生するが、「危険!」と言ってる分には「警告を発しただけだも〜ん」で済む。リスクはゼロにはならない、人生はトレードオフの選択の連続。どのリスクをとってどの利益を得るのか?リスクをゼロにするため無制限にコストを掛け続け続ける事は、別のリスクを発生させているのと同じだよ。2017/08/10

レモン

35
リスクをゼロにすることはもちろんできないし、他のリスクが高まったりコストがかかり過ぎたりするらしい。原子・分子の話は正直何のことやら?だったが、人工より自然のものが良しとされる風潮や、発がん性のある添加物の本当の危険性についてなど、なるほどと思う内容がたくさん。以前シリーズで読んだ『〇〇の危険度調べました』の著者を名指しで挙げ、反対意見を述べておられたのが大変興味深かった。何事もきちんと調べて、何となく怖いから禁じる・叩くではなく、正しく知ることに尽きる。著者のコロナ関連の出来事に関する意見が知りたい。2022/01/28

ロア

35
ジョン・エムズリーの言う「1万分の1のリスクは受け入れるのが、現代人の生き方ではないか」という提案には私も賛成。全てのリスクを完全にゼロにするのは不可能なのだから。「合理的に達成可能な限り低く」という考え方が最も現実的だと思う✳︎✳︎✳︎「第1章 人はなぜ、リスクを読み間違えるのか」と「第7章 放射能基礎講座—放射能の恐怖、という罠」は読んで為になった。本書全体としては、部分によって少々極端に振れているところがあるかな(・ω・。)2017/08/28

ふろんた

27
リスクを気にするあまり、膨大な対策コストが発生し、さらには別のリスクが発生する。ずっと身近にあるものに対するリスクには寛容だが、得体の知れないもの、目に見えないもの、人工的に作られたものには恐怖心から危険なものと認識されやすい。専門家に言わせるとリスクゼロと断定することはできない。それをエンタメ番組の評論家や周囲の人が危険があると言い、感情的にその情報を信頼してしまう危険性を説く。今まで読んだ新書の中で上位に入る良書。2014/10/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5434418
  • ご注意事項