光文社新書<br> 最高裁の違憲判決―「伝家の宝刀」をなぜ抜かないのか

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光文社新書
最高裁の違憲判決―「伝家の宝刀」をなぜ抜かないのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 329p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334036669
  • NDC分類 327.01
  • Cコード C0232

内容説明

本書では、主として最高裁の違憲判決の軌跡をたどり、最高裁がどこへ向かおうとしているのかを探る。憲法裁判すべてを網羅するのではなく、違憲判決に焦点を当てることで、憲法に対する最高裁の「姿勢」を浮き彫りにする狙いがある。違憲判決以外にも、最高裁の憲法判断を理解するうえで有用な判決について適宜、解説する。さらに、最高裁長官の事績を初代から追うことによって、「物語」のような違憲判決の歴史を舞台にあげる。あまり知られていない長官の素顔にふれて、“床の間”にある判決が少し身近に感じられるのではないか。この1冊で、違憲・合憲を判断する枠組みがわかること、請け合いである。

目次

序章 違憲判決とは何か
第1章 政治からの「逃避」―1947~1969 政治に踏み込まず、の“家訓”を宣言
第2章 北風と太陽―1969~1982 「公人」に厳しく「私人」には優しく
第3章 審理方法に変化の兆し―1982~1997 「規制目的二分論」に疑問符?
第4章 「救済の府」の覚醒―1997~ 人権保障の砦に
補章 「1票の格差」訴訟を追う
終章 岐路に立つ最高裁―国民に近づける3つの改革案
識者インタビュー

著者等紹介

山田隆司[ヤマダリュウジ]
1962年大阪府生まれ。’85年、読売新聞大阪本社入社。2008年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。専攻は、憲法・メディア法。日本公法学会、日本マス・コミュニケーション学会、全国憲法研究会などに所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寝落ち6段

17
日本国憲法は、国民の基本的人権を守るためにある。それは、立法府である国が国民を蔑ろにしないように、企業が国民を奴隷にしないように、個人間で侵害し合わないように。その国民を守る最後の砦が、最高裁判所である。最高裁の憲法判断を基に、その必要性や良さ、問題などを検証する試み。社会が変化する中で、法令も変わらなければならない。その法令が人権を侵害していないか判断しなければならない。最高裁は、これからも最後の砦となるために、最高裁の意識も変わらなければならない。私たちも、よく勉強しなければならない。2023/07/15

kotte

12
Kindle Unlimitedで読みました。学部時代憲法ゼミに所属していたため、読んだことがある判例ばかりで懐かしい感じがしました。違憲判決を時代に流れに沿って紹介するという試みは法学未履修者に対してとてもわかりやすく、理解が進むものだと思います。2017/04/21

takizawa

6
縦軸で読む憲法判例というのが物珍しい。政治と最高裁人事の関係を知ったり,長官ごとの大まかな判例傾向を掴むことは憲法の学習においては特に必要なことではないけれども,ストイックに勉強するだけでは楽しくない。最高裁=保守の牙城というイメージが強いのは,「八幡製鉄事件で,経団連の献金について自民党にお墨付きを与え,猿払事件では,社会党の手足にダメだし」してきたような蓄積があるから。しかし,個別意見を活発に付すようになったり,違憲判決を立て続けに出したりと,公共空間の番人としての自覚が垣間見え,変化の兆しが。2012/04/21

あり

3
①尊属殺②薬事法③④議員定数⑤森林法⑥郵便法⑦在外選挙権⑧国籍法の8つの法令違憲に加え高田事件、玉串料事件、空知太事件の3つの違憲判決について時系列に沿って書かれており、当時の内閣や社会事情を併記しているのでとても理解しやすいです。それに加え歴代の最高裁長官の名前と特徴が書かれている読みやすい本を本書以外に知りません。2015年末に9つめの⑨再婚禁止期間の法令違憲判決が出たことも記憶に新しく、憲法9条の議論も盛んですし違憲立法審査権という制度に少しでも興味がある人ならオススメしたいです。2016/03/27

void

3
【★★★☆☆】平易に要点を絞って書いてるのでわかりやすい。しかし、第三審として公法私法多岐に渡る面から(最後にちらっと出てきた)調査官の役割は小さくないし、長官の色がどこまで出るかという点から整理の仕方に大雑把さは感じる。/全体を通して「違憲判決という結論≒私人にやさしい≒良いこと」という考えが底流にあるのは否めないが、それが泉徳治・棟居敏行インタビューで最後にも相対化されてるのは良いし、「時代(ex.高度成長期)にあった判決→その時代性を最高裁が自己認識する必要がある」という視点はなるほどと思った。2012/02/23

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