光文社新書<br> 人は、なぜ約束の時間に遅れるのか―素朴な疑問から考える「行動の原因」

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光文社新書
人は、なぜ約束の時間に遅れるのか―素朴な疑問から考える「行動の原因」

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334035792
  • NDC分類 140.18
  • Cコード C0236

内容説明

たとえば、約束の時間。私たち現代人の生活には、約束した時間通りに行動しなければならないことが数多く仕掛けられている。そして、約束の時間によく遅れる人は「だらしない」とみなされ、約束の時間を守る人は「几帳面」とみなされる。しかし、「だらしなさ」のせいで人は約束の時間に遅れ、「几帳面さ」のせいで人は約束の時間を守るのだろうか。私たちは、自分や他人の行動の原因について、日常的に「なぜ?」と問いかけながら暮らしている。本書では、そんな「なぜ?」を、描いて・視て・考える『視考術』という行動分析学に基づく手法を使って考察し、これまでとは違う角度から人間行動の本質を探る。

目次

序章 県民性・国民性を視考する―行動の『視考術』とは何か
第1章 性格を視考する―人は、なぜ血液型で性格を判断しようとするのか
第2章 記憶を視考する―人は、なぜ傘を置き忘れるのか
第3章 道徳観を視考する―人は、なぜ公衆マナーを守れなくなったのか
第4章 思考を視考する―人は、なぜ災害から逃げ遅れるのか
第5章 意識を視考する―人は、なぜ騙されるのか

著者等紹介

島宗理[シマムネサトル]
1964年埼玉県生まれ。1986年、千葉大学文学部行動科学科卒業。1989年、慶應義塾大学社会学研究科修了。1992年、Western Michigan University心理学部博士課程修了、Ph.D.取得。鳴門教育大学を経て、法政大学文学部心理学科教授。専門は行動分析学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

トンちゃん

32
行動を客観的に見て分析することで、なんとなく評価してきた物事の真の原因を探る方法論が視考術。行動分析学で使われるひとつの分析手法と捉えて良いのかな。 すごく分かりやすくて、ためになります。雨の日に傘を電車に忘れる人が多いのは何故か?というのが1番しっくりきました。傘を取る行動にプラスに働くのが、雨が降っていること、マイナスに働くのは、現時点で室内におり雨の脅威を忘れていること、どちらが強く働くかで傘を取るという行動に影響が出ると考えます(あってるかな?笑) 遅刻も血液型や性格のせいではないということ!2020/05/24

としP

27
行動随伴生に伴う「強化」「弱化」「消去」で説明される。【血液型性格診断】周囲の人々が、その人を血液型でラベリングし、その血液型に代表される行動を要求する。すると、その人が自身の血液型以外に代表される行動を起こした時、その行動が周囲の人々によって「消去」される。結果として、その人は自身の血液型通りの性格になるのである。また、疑問に対して理由が見つかることで、この問答は強化される。血液型による性格判定を用いることが、容易に理由を見つけることにつながる。よって、血液型性格判定はなくならないのである。2017/09/04

うごうご

11
行動の原因をその人の性格に求めない、という考え方が知れただけで◯。 江戸しぐさとか携帯マナーのとこは周りにあまり受け入れられて来なかったからなのか、ちょっと暴走気味。2017/06/24

suVene

8
★★★★☆ 少し甘めの採点だけど、「行動分析学」は初めて読んで、割とわかりやすかったので。 途中で「江戸しぐさ」が”あったもの”として、現代のマナー(行動)と比べてるところは、随伴性の正否に関係はないけど、妙に説得力に欠けた。 原因を≪心≫に求めて「個人攻撃の罠」に陥らないために、「視考法」を使って随伴性を探っていく。 確かに、安易な思考停止に陥らずに、原因を想像し、具体的な対応策を取るために有用な分析手法だと思った。ただ、どうしても恣意的な分析になりがちなので、しっかりとした検証も必要なのだろう。 2015/05/20

たかね@心理学

8
"スキナーは認知心理学を批判していたが、その理由の一つは、情報がどのように処理されるかについては、いずれ神経科学が解明することになり、そうなれば心理学として、独自の学問が存在する理由がなくなってしまうという懸念にあった。"この本でどれだけの人が認知から行動に転向するか。環境を重要視せず自己を過大視する人々への批判を述べた書。2014/11/24

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