内容説明
20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン。その流麗な「美」に魅せられた人は少なくないだろう。しかし、「カラヤン以後」、音楽の風景は一変し、何かが決定的に失われてしまったことに気づいているだろうか。かつて音楽を聴く聴衆は、その成り立ちに息を潜めるがごとく、宗教儀式のように音楽を体験し、享受した。そこには特別な「意味」が存在した―。本書は、カラヤンの音楽と、それを鋭く断罪する二人の音楽家、オットー・クレンペラーとヘルベルト・ケーゲルの、絶望や狂気、矛盾や破滅が内在する『危険な音楽』を通して、20世紀から現代までを覆う「負の遺産」を問い直し、音楽、芸術、そして人間存在を考える。
目次
第1章 音楽の悪魔―プロレゴーメナ(死後20年目のブーム;音楽の言語化 ほか)
第2章 流線型の美学―ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)(『大地の歌』;人口楽園 ほか)
第3章 孤高の絶対音楽―オットー・クレンペラー(1885~1973)(満身創痍の鉄人;アンチ・モラリスト ほか)
第4章 絶望の音楽―ヘルベルト・ケーゲル(1920~1990)(自殺したくなる音楽;途絶えたキャリア ほか)
著者等紹介
宮下誠[ミヤシタマコト]
1961年東京都生まれ。鎌倉在住。國學院大学文学部教授。早稲田大学卒業。スイス国立バーゼル大学哲学博士。専攻は20世紀西洋美術史、美術史学史、画像解釈学、一般芸術学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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