内容説明
いま多くの人が「生きづらさ」を感じている。一九九八年以降、自殺者数は毎年三万人を超え、毎日のように練炭自殺や硫化水素自殺のニュースが報じられている。鬱病など、心を病む人も増える一方だ。これらの現象は、現代社会に特有の「生きづらさ」と無縁ではない。その背景には、もちろん経済のグローバル化に伴う労働市場の流動化が生んだ、使い捨て労働や貧困、格差の問題もあるだろう。他方で、そういう経済的な問題とは直接関係のない「純粋な生きづらさ」もあるだろう。本書では、さまざまな「生きづらさ」の要因を解きほぐしながら、それを生き延びていくためのヒントを探っていく。
目次
第1章 「生きづらさ」はどこからくるのか?(「生きづらさ」と現代;空気を読んで自殺する ほか)
第2章 貧困とアイデンティティ(いろんな意味で状況が変わってきた;盛り上がるフリーターや反貧困の運動 ほか)
第3章 認められることの困難とナショナリズム(「希望は戦争」論争;格差とルサンチマン ほか)
第4章 「超不安定」時代を生き抜く(二〇〇八年インディーズ系メーデー;ニートや引きこもりは労働問題 ほか)
著者等紹介
雨宮処凛[アマミヤカリン]
1975年北海道生まれ。2000年、自伝『生き地獄天国』(ちくま文庫)で作家デビュー。現在は生活も職も心も不安定さに晒される人々(プレカリアート)の問題に取り組み、取材、執筆、運動中。’07年『生きさせろ!―難民化する若者たち』(太田出版)で日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞受賞
萱野稔人[カヤノトシヒト]
1970年愛知県生まれ。2003年、パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。哲学博士。現在、津田塾大学国際関係学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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