内容説明
『マハーバーラタ』は、サンスクリット原典で全十八巻、十万詩節、一千二百章、二十万行を超える世界最大の叙事詩である。これはギリシャの二代神話『イーリアス』『オデュッセイア』を合わせたものの約八倍、聖書の約三倍半の長さに相当する。現在の形が成立したのは紀元四〇〇年頃と推定される。物語は戦闘場面、宗教談義、フォークロア(民間伝承)的世界に分かれている。本書では、古代の男女の交わり、結婚観などが赤裸々に表現されているフォークロア的世界にスポットを当て、八話を厳選して紹介する。
目次
第1話 シャクンタラー物語
第2話 創造神もお手上げ
第3話 王妃ダマヤンティーの大冒険
第4話 性の化身
第5話 マハーバーラタは核兵器で終結した!
第6話 禿鷹とジャッカル
第7話 最上の贈物
第8話 ヒンズー教徒が一番怖がったナーガ(族)
著者等紹介
山際素男[ヤマギワモトオ]
1929年三重県生まれ。’98年、『マハーバーラタ』の翻訳で第34回日本翻訳出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
11
光文社新書で刊行された前著に続き、マハーバーラタからいろいろなエピソードを紹介している。カーリダーサ版ではないシャクンタラー姫の物語や、ナラ王物語などいろいろ。ナラ王、ユディシュティラ同様、骰子賭博ですべてを失うけど、骰子技の修行をして骰子賭博で国を奪い返すとか、インドにおける賭博の位置づけが面白い。2020/01/18
nori
4
Different aspect of author who wrote カーリー女神の戦士. It should be interesting fantasy but much effort to understand story is needed. If somebody will make anime version, it should be fan. But Japanese can not do well for the work due to porno ban. Sad. 2018/08/03
さんそまくら
4
本編は聖書の三倍半の文字数らしい。面白い話が多かったけれど牛を礼賛するところは休憩挟んで読んだ。ちょっと予想外なくらい牛は神聖だった。世界が滅びる兵器(個人使用)が出て来るし、人数や年数についてそこそこ具体的な数字が出てくるんだけど千や万単位だったりしてインドの凄さを感じた。2016/11/17
三谷陽希
3
マハーバーラタについて平易な語り口で書かれていて読みやすかった。取り上げている題材も良く、ストーリー性のある部分を上手く説明していてマハーバーラタそのものを読みたくなる一冊。2015/01/23
Gasse
3
インドの神さまは阿呆でワガママでエロいのが多くて微笑ましいです。2010/01/08