内容説明
「人間嫌い」というのは、いくらか偽悪的な言い方だが、仲間に甘い顔をせず、自分の信念を押し通す人間は、日本社会ではこう呼ばれる。それが現実である。それなら、人間嫌いでいいではないかというのが、まず私の出発点だった。そうやって「人間嫌い」を標榜してみると、意外とこれがけっこう楽しい。少なくとも楽である。友達がいないと不便かもしれないが、別に恥ずかしくはない。恥ずべきは自分がいないことである。自分がいてこそ、はじめて本当に他者とかかわれる。変わり者の多かったあまたの文士の生き方などを引きながら、煩わしい人間関係や世間との距離の取り方を説く。
目次
第1章 人間嫌いの世界観
第2章 人間嫌いVS.つるみ系
第3章 人間嫌いの考えるモラル
第4章 友達がこわい
第5章 怒る理由、不機嫌の矛先
第6章 人間嫌いの喧嘩作法
第7章 縁遠くなる人々ーかぐや姫症候群と「人間嫌い」
第8章 結婚しても孤独
第9章 わがままの達人は美人になる
第10章 晩年に強い人間嫌い
著者等紹介
長山靖生[ナガヤマヤスオ]
1962年茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。評論家。歯学博士。’96年、『偽史冒険世界』(筑摩書房)で第10回大衆文学研究賞を受賞。文芸評論から最近では若者問題、家族問題へと関心の幅が広がっている
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