内容説明
「本当にどれが最高かは、わかりっこない。決めようがない。万人が納得する答えなどあり得ない。万人共通の尺度などないのだから。しかし、『世界最高』を問う中には、最高とは何なのか、さらなる可能性はないのか、といった絶えざる反省がある。そして、『最高』を求めていく心の中には、安っぽい計算や打算を超えた何かがある。あえて万人が納得する答えが存在しない問いを発すること。それをしてみようと思ったのだ。モラルの絶対的基準が崩壊した時代だからこそ。」(「最初に」より)―かくもの志で、クラシック評論の第一人者が満を持して薦める最高の指揮者による最高の演奏。
目次
第1章 ナイーヴ時代の大指揮者たち、または古典主義的幸福(ヴィルヘルム・フルトヴェングラー;アルトゥーロ・トスカニーニ ほか)
第2章 現代にあってなお幸福な指揮者たち、または擬古典主義の平和(カール・ベーム;ルドルフ・ケンペ ほか)
第3章 普遍化を目指した指揮者たち、または二〇世紀が夢見た美(ジョージ・セル;ヘルベルト・フォン・カラヤン ほか)
第4章 エキゾチックな指揮者たち、またはコスモポリタンの喜び(レナード・バーンスタイン;小沢征爾 ほか)
第5章 懐疑に沈む指揮者たち、またはマニエリスムの退廃と人工美(オットー・クレンペラー;セルジュ・チェリビダッケ ほか)
著者等紹介
許光俊[キョミツトシ]
1965年東京生まれ。慶応義塾大学で美学、東京都立大学でドイツ文学を学ぶ。都立大助手、横浜国立大学助教授を経て、現在慶応義塾大学法学部助教授
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