内容説明
山脇光子という33歳の銀行員が強姦された上に絞殺された。そして、週刊誌の一つが、彼女の離婚劇や上司との愛人関係を暴く記事を載せた。その一連の記事がある男の記憶をゆすぶった。彼、関敏彦は、18歳の夏に惨殺された家族の復讐を果たした時から自分の存在を消していた。だが、高校の同級生で、関の警察官時代の恋人でもあった光子の死に再び自分を取り戻した。彼女の死に不審を抱く関は、雑誌記者の松浦と、光子と愛人関係にあったとされる内田に近づくが…。内田の功妙な罠に陥ちて、事件の影に潜む巨悪に、関の怒りが爆発。必殺の鉄針が肉を裂く。戦慄のダーティ・ヒーロー復活。書下ろし長編ハード・バイオレンス小説の会心作。