内容説明
1971年3月、中央新聞香港支局長・仁志広は、北京で国外退去命令を受けた先輩記者の秋尾を出迎えた。激動の文化大革命を3年にわたって取材してきた秋尾は、世界的なスクープを握ったらしい。だが、仁志がそのスクープを聞き出す間もなく、秋尾は自殺に見せかけて殺され、仁志自身も襲われる。さらに、一緒にスクープを追う長瀬美加も連れ去られた。秋尾のスクープが漏れるのを恐れある中国人要人が動き出したのだ。数日後、美加の死を知った仁志は単身上海へ乗り込むが…。毛沢東の次を狙う男と、それを阻もうとする“北京の星”と呼ばれる男の熾烈な権力闘争。それに巻き込まれた日本人記者の孤独な戦いを描いた、書き下ろし長編推理小説の大作。