内容説明
1986年春、朝吹里矢子は30歳。いよいよ独立した弁護士として、自分だけの事務所を構えた。新事務所に最初に現われた客は、高校時代の同級生・藤巻朗だった。彼は健康食品の会社を経営していたが、資金繰りが苦しく、卸問屋社長に貸しているゴルフの賭け金300万円を取り立ててくれといった。「博奕の賭け金は、公序良俗に反し、法律的には無効よ」といって帰した。ところが数日後、卸問屋社長が殺されて、藤巻が参考人として取り調べを受けたという。藤巻にはアリバイもなく、情況証拠はクロだったが、「俺は殺ってない助けてくれ!」という言葉に里矢子の推理が冴えわたる…。推理界の名手が放つ珠玉のミステリー会心作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
6
藪原法律事務所の居候弁護士となって五年、朝吹里矢子はようやく独立し、自分だけの事務所を構えることになった。記念すべき最初の依頼人は高校時代の同級生・藤巻朗だった。経営不振に陥った彼にゴルフの賭金の取り立てを頼まれるが、それは法的には無理。そして数日後、相手の男が殺され、藤巻に嫌疑がかかる。自分は無実だと泣きつかれ調査を開始した里矢子の推理が冴える。1987/04/24
コマンドー者
1
弁護士朝吹里矢子シリーズ3作目。里矢子が独立してからの依頼を描いている。毎回法律トピックを軸に安定した仕上がりで面白い。2024/03/12