内容説明
証券担保金融という怪しげな会社を経営する犬塚誠のところには、業界誌記者上がりの式村、犬塚の大学の同期生・熊井、落札屋の鍋島、不動産屋の肥田といった胡散臭い連中が儲け話の情報交換のために集まっていた。そこに蜂谷という男が現われ、10兆円もの財宝を積んだまま、日露戦争で対馬沖に沈んだ軍艦アヒモノフ号引き揚げのための資金提供者を探してくれという。犬塚は政財界の黒幕・由良源太郎に取り入り、30億もの資金を捻出させたが…恐るべき罠が…!?10兆円の財宝をめぐる色と陰謀と野望!たしかな取材力で、現代欲望社会の裏面を凄絶に剔出した、長編内幕経済小説の白眉!