感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Genei-John
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全編、会話かモノローグで構成される長編。意図はわかるが、盛り上がり感が不足しがち。実験作を書き切った意欲が遊び心にまで昇華すると、泡坂妻夫の作品を読んだときのような感動が訪れるのだが。もちろん笹沢左保と泡坂妻夫は資質が違いますが。2012/10/23
コマンドー者
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冒頭の事件説明の箇所を除いて、全て会話文のみで地の文章一切なしというスタイルで進行する前代未聞の作品。短編でも笹沢氏はこれをやっているが、長編のしかもミステリーでやるのは凄い。当然会話が説明調で強引な感じは否めない上に、事件の真相もあまり凝ったものにはできなかったようだが、実験に終わらず、きっちりと楽しめる作品に仕上げてくるのはさすがだ。2023/03/13