内容説明
イエスの父なるイスラエルの神は、究極の虐殺と戦争犯罪のお手本を示した。それゆえキリスト教徒は、イエスの愛を実践する一方で、他集団の殺戮を肯定するという二面性を持つ。だが、イエスを信仰するがゆえに、虐殺や戦争犯罪が許され、ときには奨励されるということは、本当に聖書のメッセージなのであろうか。聖書をしっかりと読めば、そうではないことがわかるというのが本書の結論である。
目次
1 聖書の目撃証言によって神とイエスを知る
2 イエスの父なる神とは旧約聖書のどの神のことか
3 愛の神は何をしたか―ホロコーストと戦争犯罪のルーツ
4 神の性格を診断する
5 神の能力はどの程度か
6 神の倫理に欠落するもの
7 破局、そしてイスラエルの神の帰還
8 イエスの奇跡と預言を検証する
9 父なる神の忠実な僕
10 挫折、そして父なる神への反逆
11 父なる神、イエスに死の罰を与える
12 イエスの弟子たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコ虎
4
キリスト教がなぜ世界にかくも広まったのかいつも疑問に思う。この著書を読んで尚更その感を深くする。深奥な論理でもったいぶって解釈するのでなく、普通人目線で聖書を解釈し批判していく。聖職者からすれば無礼な振る舞いに見えるだろうが、私にとって新鮮でわかりやすく、親しみを覚えた。裸の王様的なこういう聖書解説書があってもいい。籠池理事長の嘘話を、取りあえずお話として受け止めその中での納得や矛盾を突いてみるみたい。ただそれだけでは物足らない。聖書の書き手と神及びイエスへの仮託の関係が説かれていればなおよかったのに。2017/03/26