出版社内容情報
覚鑁(かくばん、1095~1144)は、平安時代後期の真言宗中興の祖にして新義真言宗始祖です。平安時代後期に隆盛する浄土思想を、真言教学においていかに捉えるかを理論化した「密厳浄土」思想を唱え、「密教的浄土教」を大成します。西方浄土にいます阿弥陀如来は、真言教主大日如来という全ての仏徳を備えた仏から生まれた尊であるとしました。日本密教を学ぶうえで非常に重要な覚鑁思想ですが、これまで一般学徒向けにはあまり解き明かされてきませんでした。空思想を表した『月輪観(がちりんかん)』の編者であり、また日本に五輪塔が普及するきっかけとなった『五輪九字明秘密釈』の著者でもある覚鑁の生涯と教えを知るための初の啓蒙書といえましょう。
内容説明
信仰から論理へ―。言語化され有機化された仏教思想。その本質をラディカルに問い、仏教学の新たな地平を切り拓くシリーズ。
目次
第1章 覚鑁の生涯(聖者の事跡;伝記の読み方 ほか)
第2章 覚鑁、そのとき(誕生・出自;僧侶への道 ほか)
第3章 覚鑁の著作と思想(求聞持法;阿字観・月輪観 ほか)
第4章 真言密教の現在(即身成仏の可能性;四国遍路の身密 ほか)
著者等紹介
白石凌海[シライシリョウカイ]
1948年群馬県生まれ。中央大学卒業。大正大学大学院博士課程修了後、デリー大学へ留学、Ph.D.取得。専攻はインド哲学、仏教学。現在、真言宗豊山派総合研究院現代教化研究所指導教授・正泉寺住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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