感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
45
目立つのが嫌で人と話すのが苦手な七実は、人知れず俳句に夢中。そんな七実が遠足での出来事を詠んだ俳句が、ちょっとした行違いで友だちの早知恵の作品として受賞されてしまい…。自分に自信のなかった七実が、俳句を通して殻を破り、自分を少し好きになる心の成長を描く。読後、改めてタイトルを読むと、“ステップ”に込められた意味は俳句だけじゃなかったんだな〰と、とても感慨深い。自分だけのリズムと、自分だけのステップで!!2021/05/18
うー(今年も遅くなります)
25
引っ込み思案の七実が遠足中にこっそり作った俳句が市の俳句大会の大賞に。でも受賞者の名前は七実ではなく優等生の早知恵だった。。俳句の楽しみや作り方も知れ、自分だけの俳句をつくるおもしろさに気付ける。後書きで『俳人松尾芭蕉は「俳句は三尺の童子にさせよ」と。巧く作ろうと思わず素直な気持ちでとらえる事ができる小さな子どもにこそすすめる』なるほどなぁ。2022/08/19
ケ・セラ・セラ
24
おとなしい主人公七実の作った俳句が、優等生早知恵の作品として受賞した⁉︎ それは意図的にではなく、ちょっとした間違いから起こってしまったこと。けれども互いに違うと言い出せなくて…。俳句を題材に難しい感情を二人の視点で描く。寄り添う大人の存在がいい、気持ちのいいラスト。気持ちを素直に言葉で表すのは結構難しいですね。俳句をとおして日本語の美しさも再認識されます。2021/06/04
shiho♪
19
中学年向け児童書。 七実はクラスでも目立たない、寡黙な女の子。公園で出会ったおばあさんと一緒に俳句を作っていることは内緒にしています。七実はクラスメイトといざこざがあり、上手く伝えられないもどかしさ、募るモヤモヤ感…。でもそのいざこざを俳句で解決していきます。俳句を通して成長していく物語。 中学年には俳句はまだ馴染みがないかと思いますが、あとがきに「俳句は、三尺(さんせき)の童子にさせよ」(芭蕉)と書いてあります。三尺とは7・8歳の子。子どもから見える情景や気持ちを素直に俳句にできたら素敵ですね。2021/01/09
マツユキ
18
内気な七実が遠足で考えた俳句が、大会で大賞をとった。でも、作者は、クラスの優等生、早知恵になっていて…。二人それぞれ悩みがあるのですが、俳句を楽しむことで、普段とは違う自分になれる。親しみの輪が広がっていく安心感がありました。有名な俳句にも改めて読めたのも、良かったです。2022/09/26