内容説明
ヴェーダ文献の成立から六派哲学の展開まで―。3000年を超える歴史の上に蓄積された神々への讃歌、宗教的真理の探求、形而上学的思惟などの解明をとおして、古代インドの人びとの知的営為を知る。
目次
第1章 インド哲学史の内容と研究方法
第2章 アーリヤ人以前のインド
第3章 アーリヤ・インドの成立と発展
第4章 アーリヤ思想の成立と発展
第5章 自由思想の胎動と開花
第6章 伝統的思想の再編成
著者等紹介
金岡秀友[カナオカシュウユウ]
1927年‐2009年。埼玉県に生まれる。東京外事専門学校(現東京外国語大学)蒙古科および東京大学文学部印度哲学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程単位取得満期退学。文学博士(東洋大学)。専門はインド哲学、仏教学、密教学。大倉山文化学院研究員、東洋大学文学部教授などを経て東洋大学名誉教授。そのほか、東京外国語大学・専修大学・群馬大学・一橋大学・上智大学・東京大学大学院・名古屋大学大学院・北海道大学大学院・在家仏教協会・中央学術研究所の講師、妙楽寺(東京都八王子市)住職などを歴任する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
48
古代インド哲学をわかりやすく解説した一冊。古代という事で収められている範囲は、ヴェーダから六派哲学まで。本書で特徴的なのは哲学の解説に留まらず、最初は歴史の流れも視点に入れている所。無味乾燥な解説よりはこちらが面白いな。インダス文明からアーリア人の侵入、カーストやの発生までは、知ってはいるものの何度読んでも面白い。概説ということで各哲学の要点がわかりやすくまとめられており、これを読むだけで発展の大体の流れは掴めると思う。個人的には最後に触れたのは何年も前なので、こういう形でまとめてくれるのはありがたい。2017/10/13
じゃくお
4
仏教が誕生した古代インドにおいて仏陀前後の思想がどのように発展したかを知るために読了しました。アーリヤ人がインド亜大陸へ進出する以前のインドから解説しているのは親切ですね。カーストやヴェーダといったインドを学ぶ上で必須となる知識が解説されているため、この一冊で古代インド思想をある程度は把握できます。インドの特徴である祭祀主義が如何にして誕生したかの記述は不充分であった。2020/05/21