著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年、東京都生まれ。詩人。処女詩集『二十億光年の孤独』で、みずみずしい感性が高い評価を得る。詩作のほか、翻訳、脚本、絵本などさまざまな分野で活躍。訳詩集『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、詩集『日々の地図』で読売文学賞を受賞
田淵章三[タブチショウゾウ]
1951年、岡山県生まれ。立木義浩氏のアシスタントを経て独立。1979年、広告制作会社エジソン設立。アートディレクターとカメラマンを兼務。人物写真を中心に幅広いジャンルの仕事を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chantal(シャンタール)
78
見開き毎に50歳以上かと思われる妙齢の女性のアップの写真が。何事?と驚くが、50年逞しく酸いも甘いも噛み締めて生きてきた女性を讃える写真詩集。私も近年急激に増えてきた皺や白髪を見る度に「老けたなあ」と気が滅入ってしまうのだが、これも私が生きて来た証。谷川さんはパリで見た中年女性たちに色気を感じたと言う。中年女性を「おばさん」と切り捨てる社会なんて、健全じゃない!と、自分を慰める。田淵章三さんの嬬恋の四季を撮った写真がまた素敵。「今日までそして明日から」また頑張って生きて行こう!2021/10/29
lonesome
52
こんなことを言ったら勝手にそんな想像をしないでくださいって怒られてしまうかもしれないけれど、この詩集に載っている主役と言ってもいい女の人たちのそれぞれの顔を見て、自分は好きな人の何十年後を想像してみた。素敵な笑顔を見せる女性、愁いを感じさせる女性、それぞれが重ねてきた時間がそこにある。仲直りも出来ずにこの先十何年会うことが出来たとして、この詩集に載っている女の人たちの年齢を迎えたとき好きな人はどんな笑顔でいるだろう。好きな人に笑顔でいてほしい。「一日一日を生きてきた そして今日が ある」2015/09/01
けんとまん1007
45
顔には、その人の生きてきたものが現れる。今が、そして、これからも現れる。だから100人100様。そんな一人一人を、そっと応援してくれる誌と写真。2025/04/21
みい坊
24
50歳の女性の顔写真。はじめはビックリしてしまいました。50歳、人生がリアルに顔に反映される歳だとあとがきに有るのを見て、再度、それぞれのお顔を見ると、笑顔の向こうに、慈愛とか憂いとか、これまで呑み込んできた感情を昇華させた世界が拡がっているような気がしてきました。女性は植物のようと言う谷川さんのあとがき。この女性たちと同世代の私は、まだまだ鏡に映る自分すら直視できない小物なので、いろいろな感情をドロドロ抱えて生きています。そんな自分の顔ってどう写るのか、少し怖かったりするのです。嬬恋の森。素敵でした。2015/10/04
こうちゃ
20
50歳の女性の、自然光で撮ったアップの写真と、群馬の嬬恋の森の春夏秋冬の写真。そして、谷川俊太郎さんの詩。若いころから鏡を見るのも、写真に撮られるのも好きではなく、現実を直視できない私としては、みんな勇気あるな~とすごく思った。2015/08/05