内容説明
テンのともだちって、ぼくじゃないのかもしれない。だいすきだから、おもいがすれちがう―まっても、まっても、テンはやってきません。しばらくしてネズミはなくのをやめると、「よし」といって、たちあがりました。
著者等紹介
岩瀬成子[イワセジョウコ]
1950年山口県生まれ。『朝はだんだん見えてくる』(理論社)で日本児童文学者協会新人賞、『「うそじゃないよ」と谷川くんはいった』(PHP研究所)で小学館文学賞、産経児童出版文化賞、『ステゴザウルス』(マガジンハウス)、『迷い鳥とぶ』(理論社)の二作で路傍の石文学賞、『そのぬくもりはきえない』(偕成社)で日本児童文学者協会賞、『あたらしい子がきて』(岩崎書店)で野間児童文芸賞を受賞
中沢美帆[ナカザワミホ]
1973年埼玉県生まれ。インテリアデザインの専門学校を卒業後、絵本製作のワークショップに参加。2005年より、個展・グループ展にて、定期的に作品を発表。『ともだちってだれのこと?』がはじめての絵本の作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瑪瑙(サードニックス)
46
ネズミが友達のテンの家を訪ねたところ、「ともだちのうちにいくのでいえをるすにします」という貼り紙が…。ネズミはテンを探して歩き回ります。でもなかなかテンは見つかりません。友達って自分の事ではないの?とだんだん不安になっていきます。その揺れ動く気持ちの切なさ。きっと大丈夫だよと思いながら読みました。ネズミの気持ちが痛いほど良く分かる。最後はハッピーエンドで良かったです。2016/07/31
anne@灯れ松明の火
24
おはなし会で読んでいただいた。大のともだちだと思っていたあの子。でも、あの子も自分のことをそう思ってくれているだろうか? もしかしたら、ほかの子の方が好きなんじゃないだろうか? ……こんな気持ち、誰もが味わったことがあるのでは? 切なく、そして、温かい気持ちになれる作品。ともだち、大切にしたいね。2015/10/10
Cinejazz
17
〝ネズミがテンの家に遊びに行くと、ドアに紙が貼ってありました 「友達のうちに行くので、家を留守にします」と。ネズミは、がっかりして「テンの友達って、誰のこと? ぼくじゃないのかも」と悩みます。モグラ? タヌキ? ウサギ? みんな、ぼくよりも、すごい特技を持ってるし…。 どんどん不安だけが膨らんでいき「きっと、みんなでぼくを除け者にして、遊んでるんだ」と嘆き悲しむネズミでした。 そんなネズミの前に現れたのは…〟相手の顔を見ないと安心できない不安から疑心暗鬼におちいる気持ち弱さを、森の動物たちに置き換え↓2025/06/18
はるけいゆいママ
17
息子3歳8ヶ月。「ともだちってだれのこと?」一度や二度は誰でも思った事があるのでは⁉️ ネズミの切なく不安な気持ちが強く伝わってきて、私も切なくなりました。でも、信じる気持ちが大切な事も伝わってきたので、息子がもう少し大きくなったら又読んであげたいと思いました(*^_^*)2015/08/17
遠い日
17
あぁ、切ない。あぁ、いじらしい。友だちのことを、こんなふうにまっすぐに思えることが輝いてみえる。思えば、子ども時代は一心に好きな友だちを思い、その人といる時間の心満たされる幸福を思う存分味わうことができた。ネズミの子とテンの子の温かな友情が、いっそう深まるラストの幸せにほっと安堵する。ところどころコラージュを用いた中沢美帆さんの絵の味わいもまた、いい。2015/06/19