月の貝

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  • サイズ A4判/ページ数 31p/高さ 23X25cm
  • 商品コード 9784333025855
  • NDC分類 E
  • Cコード C8793

内容説明

なんで自分だけ助かったのでしょう―。東日本大震災で失われた多くの命。それぞれの命には、それぞれの遺族の悲しみがあります。残された遺族の心のケアを改めて見つめ直した絵本。

著者等紹介

名木田恵子[ナギタケイコ]
東京都生まれ。文化学院文科卒業。児童文学作家。『レネット―金色の林檎』(金の星社)で第31回日本児童文芸家協会賞受賞

こみねゆら[コミネユラ]
熊本県生まれ。東京藝術大学絵画科・同大学院を修了後、フランス給費留学生として渡仏。『さくら子のたんじょう日』(童心社)で第10回日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

91
深い悲しみが少しずつ癒やされていきますように…。こみねゆらさんの幻想的な絵が物語にぴったり寄り添っています。お母さんや友だちを奪っていった海を憎み、恐れる女の子。「なんで助けられなかったのだろう」。山の上に住むおばあちゃんと毎日泣きながら暮らしています。ある日、裏山で出会った男の子からもらった【月の貝】。月が出ている夜になると光を放ち、見たかった風景、逢いたかった人の笑顔を見せてくれます。そして満月の夜……。2013年2月初版。2015/09/05

モリー

77
大津波が多くの命を奪ってから間もなく11年になろうとしています。幼い子の命を奪われた親の悲嘆、怒り...そして、訴訟が大きく報道され続けてきました。その一方で、親を奪われた幼い子の悲痛な声は、その声が小さすぎたためか、大人が聞く耳を持たなかったためか、何故か大きく報道されることはありませんでした。(私がそう感じているだけかもしれませんが。)この絵本は、親を亡くし、誰かを訴える術もしらない幼な子の深い悲しみに寄り添い、癒やしてくれる絵本だと私は感じました。親を亡くした子らが愛に恵まれることを祈るばかりです。2022/03/08

おくちゃん👶柳緑花紅

63
こみねゆらさんの、絵が寄り添います。えなちゃんは、もう海なんか見たくありません。家を飲み込み、一緒に連れていかれたお母ちゃんも海はまだ返してくれないから。ある日おにいちゃんから、月の貝をもらいます。新月の日に貰ったそれは次の日えなの手のひらで細い眉のように光煌めきました。そしていよいよ満月の夜・・・・2015/10/16

はる

61
優しい癒しの物語。おばあちゃんと暮らす6歳のえな。母親も飼い犬のゴンも、震災の時以来、海から帰ってきていない……。静かで穏やかな展開。それが一層切なく哀しい。えなは、不思議な少年から月の貝をもらいますが…。こみねゆらさんの抒情的な絵が美しい。幻想的なラストに心が震える。切ない。切ないけれど、温かな読後感。2022/06/18

ぶんこ

52
東日本大震災の津波で母、犬のゴン、そしてお友達や近所のおじさんを喪った6歳のみなちゃん。毎晩うなされて眠れません。おばあちゃんと抱き合って泣く夜。おばあちゃんも娘を喪っているのです。ある日裏山で出会ったお兄ちゃんがくれた月の石。満月にお母さんとゴンの居る世界が見えました。こみねさんの描くお母さんが静かな優しさに溢れていて胸がつまりました。なんでこんなに涙が出るのか。優しいけれど切ない本でした。2022/06/26

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