目次
第1章 龍樹伝説と龍樹の主要作品(謎の人物龍樹;『大般涅槃経』は道しるべ ほか)
第2章 ブッダの縁起と龍樹の中道(論理と法の地で;縁起と無我 ほか)
第3章 中道の論理と空の世界(聖者の世界へ)(後のものを先にしてはならない;あるがままに観察すると ほか)
第4章 仮説と四句分別の論理(凡夫の世界へ)(縁起と空性と仮説;『般若心経』も空性を説く ほか)
第5章 無諍の立場と菩薩行(思想の花咲く龍樹の時代;ほんとうに論争はあったのか ほか)
著者等紹介
石飛道子[イシトビミチコ]
1951年(昭和26年)、北海道に生まれる。北海道大学大学院文学研究科東洋哲学専攻博士課程単位取得退学。現在、北星学園大学非常勤講師。専攻はインド仏教、中観思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん。
7
菩薩行を行いたいと感じました。2023/05/23
shin_ash
4
「空」とか何だろう?と思って、まずは読みやすそうな本書から読んでみた。なんとなく間(あいだ)のことかと思っていたが、そこよりは“有る”でもない“無い”でもないを強調される概念の様だ。多分、無意識にモノに注意が行ってしまう日常的な感覚では理解しにくい概念なのだろう。強いてイメージするなら連続確率分布において、ある一点の確率はゼロである様なものかも知れない。分布はあるが1点では決まらない(だから連続確率分布は閉区間なり開区間なりの区間で考えることになる)。諸行無常で言う変化を連続的とすればそれは1点に定まらず2025/08/07
マウンテンゴリラ
4
龍樹と言えば、釈迦と並ぶ、或いはそれに次ぐ仏教史における巨人であるという理解は変わらないが、両者の思想的関係性がより近くかんじられた。釈迦が唱えた根源仏教からの隔たりとしてでは無く、発展的継承という意味で捉えてこそ、大乗仏教の価値のみならず、仏教全体の価値がより尊いものに感じられた。両者の共通点としての中観を媒介にして、時代を隔てて、人生の掟としての無常から世界観としての空性へと展開されたと見れば、小乗、大乗といった分類やましてや対立するものとしての見方こそが、牽強付会であると感じられた。しかし、→(2)2024/07/29
陽之理
2
菩薩ってなんだかよく知らなかったが、ブッダとの違いがわかってよかった。空についてはまた読み返したい。2024/08/22
すな
1
空の思想は解説を見てもわかるようでわからない、ということで龍樹の入門として。唯識から遡る形で読み進めたけど、仏教は論理が複雑極まり、哲学の常で体系的に理解して進めていかないとおそらく言葉を理解してる気分になってるだけなのだろうなと改めて…。2023/12/20