内容説明
両手、両膝、額を地にひれ伏し仏を礼する「五体投地」。チベットの行者でも生涯二百万回を超えることは稀だという。この行を一日十時間十八年にわたり修行した日本人僧がいる。タイ、インド、チベット、スリランカ―その求法の旅路の記録がここにある。
目次
第1章 アジア漂泊(タイ僧との出会い;チェンマイの女;インドへ―カルカッタのセルジュードル;ベンガリー情話;聖地ヴァラナシティ)
第2章 秘境・ラダックへの道(チベット密入国;ヒマラヤの尊者;写真よ、さようなら;仏界への旅 ラダック;出家;下界へ降りる)
第3章 修行の旅(再び仏界へ;ラダックの僧院生活;アンドッス仙;スリランカの仙人;ジャイナ教の聖者;禅定;タイの僧院にて)
第4章 日本尊者巡礼(八木天摂上人を訪ねる;徒歩の巡礼;嘉人さんとの出会い;仙人の詩;山の暮らし)
著者等紹介
野口法蔵[ノグチホウゾウ]
1959年石川県七尾市生まれ。1980年千代田工科芸術学院写真科卒業。1982年新聞社退社後、マザーテレサの施設取材のため渡印。1983年ラダックのチベット仏教僧院リゾン寺にて出家、以後、三年間修行生活を続ける。1986年スリランカにて僧侶のためのビパーサナ特訓コースに参加、半年滞在。のち、インド国立タゴール大学に滞在。1987年帰国し臨済宗妙心寺派に所属する。この年、ダライラマより寺名禅処院を寄与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shimashimaon
6
唯識をきっかけに仏教を少しずつ学んでいますが、知識ではなく体験から学ぶことが少ないまま、未だに煩悩に塗れています。最近はキリスト教に関心があり、漫画『セシルの女王』で「祈り」が象徴的に描かれていることをきっかけに『悟りから祈りへ』という本に出会い、著者を知りました。30年前に読んだ藤原新也氏『インド放浪』を想起させ、それに勝る衝撃を与えてくれました。中村元氏の原始仏典シリーズ(岩波文庫)が積読なのですが、その理由が腑に落ちました。「インドの泥沼世界にたいしてヒマラヤ山脈がある」。私がいるのも泥沼世界だ。2025/03/01
うちこ
1
「人間の頂」にその後の日本巡礼の模様を足したような構成です。タイ、インド、チベットの旅行修行期の部分は「人間の頂」よりも少し旅行要素が減り、文章が修行よりにまとめられています。同じエピソードでも、微妙に違うことがかかれていたりしますが、あの鮮烈さを同様に感じることができます。 野口法蔵さんの本は、どれも当たりだなぁ。すばらしい。2010/02/18
shuu33jp
1
内容はかなり良いと思った。 チベット仏教がチベットから追われ、ダラムサラに行った段階でかなり堕落したんだな~と感じられた。それと今インドに残るジャイナ教の聖者を見てみたいと思いました。2011/08/24
gurisan
0
★★☆☆☆2009/12/03