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内容説明
危機から救ってくれた若者に、生涯をかけて恩返しをした、人食いとらのお話。
著者等紹介
松谷みよ子[マツタニミヨコ]
1926年、東京都に生まれる。1956年より民話の採訪をはじめ、『龍の子太郎』(国際アンデルセン賞優良賞受賞/講談社)に結実する。そのほか、『ちいさいモモちゃん』(講談社)で野間児童文芸賞、『あの世からの火』(偕成社)で小学館賞などを受賞。「びわの実学校」同人。日本民話の会運営委員、日本口承文芸学会会員、松谷みよ子民話研究室主宰
長野ヒデ子[ナガノヒデコ]
絵本作家。絵本、紙芝居の創作、イラストレーションなどの世界で活躍している。主な作品に『おかあさんがおかあさんになった日』(産経児童出版文化賞受賞)、『せとうちたいこさんデパートいきタイ』(日本絵本賞受賞)、ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
149
朝鮮の童話のようです。私は今までにも朝鮮の童話はいくつか読んでいるのですが、この話は初めてでした。絵が何とも言えずに楽しい感じになっています。雰囲気がこの話に非常によく合っているようです。話自体は単純なのですが、最後はしんみりさせる感じを与えてくれます。印象に残りました。2016/12/24
Smileえっちゃん
35
図書館本。朝鮮の民話絵本シリーズ。喉にかんざしが刺さって苦しんでいる人食いトラを助けた若者。人食いトラを退治するお話はよくあるのですが、これは助けてあげたトラが、恩返しに次々と物を奪ってきたり、婚礼を控えた娘をさらってきたり…虎の一途さはわかりますが、受取り幸せになっていく若者の気持ちがわからない。トラの自分の命までささげた最後はジーンときました。長野さんの絵は迫力ありました。2024/01/09
ケ・セラ・セラ
19
恩返しとはいえ略奪はダメでしょう。若者も呆れるほどとわかっていて受け取っていいのかいと突っ込みたいほど。そんなちょっと間違った桁外れの行為が可笑しくもあり、虎の一途さが伝わってきます。長野さんの挿し絵もイイ。2023/09/08
hoguru
13
おそらく意識して朝鮮の民話を読んだのははじめてじゃないだろうか。文は松谷みよ子さんで絵は長野ヒデ子さんだけど。若者に命を助けられた虎が恩返しをするが、豪快で人の道からみたら外れている恩返しの方法。それでも恩返しし続ける姿は切ないものがあった。2016/10/08
遠い日
12
助けてもらった恩を命尽きるまで、忘れなかった虎。男の望みを叶えるためなら、なんでもする。決して褒められたやり方ではないが、男のためにと奔走する姿は、約束を果たそうとするまっすぐな意思が見て取れる。長野ヒデ子さんの力の漲った絵も、物語の緊張を支える。いつしか虎と心を交わしていたことがわかるラストに胸絞られる。2017/12/12