内容説明
母のない自分を悲しんでいた。でも、幼子を残して逝った母のほうが、悲しみはずっと深かった…。内田麟太郎の母の記憶を、味戸ケイコが描き出す。亡き母を慕う子熊のお話。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年、福岡県生まれ。『さかさまライオン』(長新太・絵)で絵本にっぽん賞、『がたごとがたごと』(西村繁男・絵、ともに童心社)で日本絵本賞、『うそつきのつき』(荒井良二・絵、文溪堂)で小学館児童出版文化賞を受賞
味戸ケイコ[アジトケイコ]
1943年、北海道生まれ。第1回サンリオ美術賞、『あのこがみえる』で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞,『花豆の煮えるまで』(ともに偕成社)で、赤い鳥さし絵賞を受賞
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
109
味戸さんの繊細な絵と内田さんの心のこもった文が、一つに溶け合った素晴らしい絵本だった。ちょっと寂しげなクマ君の表情がたまらなく良い。彼がお祖父さんになった時に抱く母親への想いに涙がこぼれる。幼い子供を残して死ぬ母親の悲しみの深さを知った時に、彼は本当の大人になったのかもしれない。「かあさんよりもながいきしてね」。母の愛の深さに心を打たれる。2016/08/02
アサガオ先生
81
かあさんのこころ(⌒‐⌒)「私が少年だった頃、母が亡くなった◇その時のショックは、あまりにも大きく、亡くなって3年間ほど、『いつか母が帰ってくる』と信じていた時期があった◇いつもひとりぼっちで歩いて、屋上で空を見上げて泣いたり、窓の外から歩く母親と手をつないで歩く子どもをみては、『羨ましく』『胸が締め付けられる想い』を今でも忘れない◇あるとき、父が夜空に向かって、『お母さんは、たくさんの星の中のどこかで、見守っているんだよ』とさとしてくれた。あれから時がたち、私には妻がいて、娘ができた」→2ページ目へ2016/11/20
テルテル
54
幼い頃、私は母親を亡くした。母親の死を受け入れることができず、独りぼっちであちこちを歩き回り『お母さんは、いつものように帰ってくるんだ』って思った。でも帰ってこなかった。寂しかった。苦しかった。私はこの絵本の気持ちがよく分かる。まるで私の物語だ。結婚して子どもが出来て、娘を大事に育ててきた。その時誓った。『私は死なない』娘の寝顔を見ながら誓った。同じ想いはさせないと思った。私のお気に入りの絵本『おおきなあな』と共感できる。どんなに辛くても、苦しみの『おおきなあな』は娘の笑顔が埋めてくれる。長生きするぞ!2015/05/26
めしいらず
51
著者の自伝的な物語らしい。幼い頃に母を亡くす。そのことがもたらす計り知れない哀しみ。年を経て、家庭を築き、愛することの意味を知り、やっと自分を残して逝ってしまった母の悲しみ、悔しさ、その愛の大きさに気づく。2014/01/27
プンヴァ
23
かあさんの気持ちを知るまで、どれだけの寂しさを抱えてきたのだろうと思うと胸が締め付けられます。味戸ケイコさんの描く目の表情が深い悲しみを宿していて、このくまの子を抱きしめたくなります。2017/07/21




