内容説明
ブナの林の緑色がきれいだった。所々に、白樺の木があり、緑色の林の中で、白く光っているようにみえた。空気がすんでいるし、林が日ざしをさえぎっているので、すずしかった。こんなすばらしい所はないかもしれない。けれども、ゆうすけは、(ぜったいぜったいにげだしてやる)と、心でつぶやいていた。小学校中学年から。
著者等紹介
横山充男[ヨコヤマミツオ]
1953年、高知県生まれ。梅花女子大学助教授。『少年の海』で児童文芸新人賞、『光っちょるぜよ!ぼくら』で、日本児童文芸家協会賞を受賞
西村郁雄[ニシムライクオ]
1939年、兵庫県生まれ。雑誌編集者、アートディレクターを経て独立
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感想・レビュー
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読書国の仮住まい
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両親が離婚して母親に引き取られたゆうすけ。 だがその母親も、夏休みにイギリスで1か月過ごすという。 その間山小屋を営む祖父の元で暮らすことになる。 言いつけられる労働に嫌気が差し、逃げ出すことを考える。 だが訪れるお客や自然に触れるうちに、山の生活に心地よさを感じ始めるようになる。 住み込みで働く高校生、木下君がちょっと老け顔。 祖父がかぶっている赤帽に説明がなかった。 山では遭難した時目立つよう、派手なものを身に着けるというやつだろうか?2020/04/08
はらぺこあおむし
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夏休みの間、山小屋をしている祖父のもとで暮らすことになったゆうすけ。はじめは逃げ出すことばかり考えていたのに、山で働く祖父の姿を見てちょっと祖父のマネをしてみたり…しんどい仕事でも、人のために働くカッコ良さがわかって良かった! 子どもにはぜひさせたい体験だなと思いました。2017/06/07
火星人碧
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ゆうすけは夏休みの1カ月間を母方の祖父と暮らすことになる。騙されて連れていかれたと思うゆうすけはすぐにも逃げ出すつもりだ。山の上からの絶景を見ても決心は変わらないゆうすけ。それが変化を見せたのは怖いだけだと思っていた祖父が格好よく見えてきたからだろう。私の自分の祖父を思い出してみる。激動の時代を生きた人だった。孫には優しかったが、昔は怖かったという。ジジイは怖い方がいいと思う。孫の顔を見るなりニヤけるジジイなど格好悪い。2021/05/29